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2024.12.16
赤目線
……パァンッ!
路地裏で花火が上がる。
硝煙が漂う銃口。
欲望混じりの妖艶な空気を纏った世界の裏側。
またひとつ、汚らしいモノが消えた。
またひとつ、この世が浄化された。
またひとつ、僕の手が血に染まった。
「どうやらこのあいだの要人。遊郭の経営者らしくご招待いただき吉原一の花魁とお戯れできるそうな。せっかく日本に来ているのですから立ち寄ってはいかがですか?」
「え!本当!?花魁とお戯れできるの!?行きたい行きたい!!」
……なーんて。
日本一の遊郭、吉原に行けるって聞いたときは期待してたんだけどなぁんかなぁ……
吉原の花魁とは言い換えれば”極上の女”
なんだけど、正直言って好みじゃない。
過度な装飾品で彩られた煌びやかな姿、花が咲いているような甘ったるい香り。
唆られないし帰ろうと思っていたとき、襖が開く。
「……っ!?」
「お初を目にかかります、ぶるーく様。今宵、琴を奏でさせていただく瑠璃と申します。」
瑠璃と名乗ったその子は17歳くらいだろうか。花魁なんかよりよっぽど美しいその声は夏の海のように鮮明で冬の薄氷のように透き通り、少し低めの僕好みの声だった。
いや、声だけじゃない。
後ろで短く結われた髪。
左目の下には白粉から透けた泣き黒子。
楽器に精通しているからか血管が浮きでた手。
質素な恰好でありながら目を惹かれる。
これがいわゆる一目惚れというやつだろう。
「ねぇ、僕さ君がいいな。」
「え、お……私、ですか?」
「うん、ダメ……?」
色仕掛けのときにしか出さない、とろり甘い蜂蜜みたいな声をだす。男も女も大体これをしたら折れて、どんなに不利益な提案でも受けてくれる。
でも彼女はそれに屈しず、押し問答をしていると経営者がそのような下の者ではなく是非花魁とお戯れをと水を差す。
「……なに?僕はこの子がいいって言ってんの。口出ししないで。あぁ、それとも…你想死在這裡嗎?」
普段のへらりとした雰囲気を霧散させ”お仕事”の雰囲気を纏わせる。袖口に手を入れ拳銃に指をかけるが、瑠璃ちゃんが驚いた顔でこちらを見ていたので衝動を抑え込む。
あーあ、瑠璃ちゃんにこのときの僕はみせたくなかったなぁ。でも、仕方ないよね。コレは君のことを悪く言ったんだもん。
「んね、瑠璃ちゃん。二人っきりでお話ししよ?」
薄暗い部屋に帯の解ける音が響く。
ゆっくりと露わになる白い肌。
筋肉質な引き締まった脚。
細くくびれた腰。
平たい胸。
そしてたしかにある男のソレ。
「……え。」
「あの……ごめんなさい。騙すようなことをしてしまって……」
話を聞くに中性的な顔立ちと美しい声、琴以外にもさまざまな楽器を扱えるからと置いてもらっているらしい。
身体をみるまで分からなかったくらい美しい彼がもしその色専門の遊郭にいれば、一夜にして多額の金が動くだろう。
きっといままで、僕みたいに彼女に惚れ込み男でもいいからと彼を抱く者もいただろう。
僕もその内のひとりでそっちの気があったわけでもないのに、正直言って彼の身体に興奮している。
今からこの青年を抱くんだ。
「なんで謝るの?僕は君がいいの。女でも男でも関係ないよ。君に一目惚れしたの。」
「……好きだよ。」
そう本心を告げると薄明かりでもわかるほど頬を染める。
初心な反応をされると勘違いしそうになる。
僕は好きになったから抱きたいけど、彼は仕事だから抱かれるんだ。
「……俺、上手くできるかわからないし、その……男、だけど……抱いてくれますか?///」
緊張、不安、羞恥、期待。彼の脳内ではさまざまな感情が入り混じっているのだろう。
言葉を詰まらせながらも、僕に奉仕しようとする健気さに欲を煽られる。
「うん、できるだけ痛くないように優しくする。抱かせて。」
腰紐を解き、白地に牡丹があしらわれたチャイナ服を脱ぐ。
「……は、でかっ……」
僕のモノをみるやお腹に手を当ててどの位まで入るのか確認するような動きをする。
欲情させる行動も表情も、快楽も今までのモノに教え込まれたのか。
心臓がチリつく痛み。
今までどんな抱かれ方をされてきたのかは分からないが、誰よりも優しく彼のことを心から抱いてあげたい。
仕事としての行為ではなく、お互いのことを考え快楽と多幸感に包まれる行為を。
まるで恋人同士みたいに。
「〜〜ぅぐっ……ん”っ、い”っ…!」
「っ、きっつ……」
「う”……いた”っ……」
彼の瞳に張られた水がぼろぼろと溢れだす。
ナカを指で犯していたときは快楽から瞳を濡らしていたが、今は痛みしか感じていないだろう。
経験のある行為でも彼はくぐもった声をあげている。
指とは質量が違いすぎるし、平常時の僕のモノをみたときの反応からしてこのサイズは挿れたことがないんだ。
これ以上、僕との夜を嫌な記憶にしないためにも止めたほうがいいだろう。
「ごめん、痛いよね…やっぱやめとこ?痛いことはしたくないから……抜くね。」
「やだっ!……抜か、ないで、だい、じょーぶ、だから……」
そんなに顔を歪めておいて、痛みに耐えきれず泣いておいて大丈夫なわけがない。
好きな子に痛いことはしたくない。
強請る声を無視して抜こうとしていたところに投下される爆弾。
「ぶるーくと、繋がり、たい。こんくらい、大丈夫……我慢、できる、から……」
「だから、お願い……」
「……ぶるーくのおっきぃソレ、俺にちょうだい?///」
「っっっ!!!ほんっとうに煽り上手だね……いいよ、めちゃくちゃにしてあげる……♡」
「んっあっ///ぶるっくっ♡きもちぃっ///」
「あはぁ♡かわいいねぇ、るりくん♡」
薄暗い部屋に肌が当たる音と嬌声が響く。
前立腺を突いてやれば、快楽を逃すために腰が浮くため、手でお腹を押し込む。
「んぁ”っ!?♡♡それだめぇ!イグっッ///」
「ぁっ//そんな締めないでっ!でちゃう///」
「いいよっ、だして♡♡ぶるっくのナカにちょーだい?♡♡」
「もう、さっきからっ!……っごめん♡でるっ///」
絡みついてくる彼のナカに欲を吐き出す。
こんなに簡単にイって、こんなに欲を煽って、一体今まで何人の男に抱かれてきたのだろうか。矛先の分からない怒りが沸きあがる。
「っ?……ぶるっく?急にどうしたの……怖い顔してる……」
「るりくんさぁ今まで何人と、……いや、やっぱいいや、聞きたくない。」
「…くが…て……よ///」
「いいって、言わないで。」
「…んぁ“っ!!まっへッ♡もっおぐない”っ//はいんなぁあ”っ……〜〜お”っ!?!??あ”っくる”っっ♡なんかでる”っ♡♡♡〜〜〜っ♡♡♡♡」
彼の言葉を遮るためモノを奥へと進める。
負担にならないように全てを挿れていなかったが僕の形を教え込ませ、僕のモノ以外ではイけない身体にしてしまおう。
ぐぽぐぽと人体からなってはいけない音が鳴っている気がするが潮を吹いているあたり、快楽に溺れているだけだ。
「まって”ぇっ!?こわい”ぃ…とま”っでぇ!?♡むり”♡♡♡おりぇ、はじめて”ぇ”///♡♡はじめてなの”っ///だかれたこと、な”いからぁあ”っっ?!?♡♡♡♡」
首や肩まで赤く染まった彼。
最奥を突くたびにナカを痙攣させながら白濁混じりの液を飛ばし、子供みたいにぐずぐずと泣いている彼が必死になって伝えた言葉。
……え。
はじめて?初めて……?僕が??
遊郭にいてこんなに快楽に弱いんだから、いままで経験があっただろうと思っていたがどうやら違かったらしい。
遊女でも遊男でもないため、夜伽をすることはなかったと。何度か言い寄られたことはあったが抱かれたくない一心で断っていたらしい。
「……なんで僕は抱かせてくれたの?」
「そりゃ…初めて抱かれるなら、好き、な人が、いい…でしょ……///」
驚きで腰が止まっている今、赤く染まった顔で僕を見上げる。時折、恥ずかしさからかナカを締めてくるもんだから、これが素なんて本当にタチが悪い。
「ふ〜ん、そうなんだぁ……♡それじゃ僕がるりくんの処女奪っちゃった?w」
「しょっ!?……そーだよ///」
「そっか、よかったぁ……」
このあと人探しをする手間がなくなった。
「ねぇ、今から仕切り直しさせて?純粋な愛だけで君を抱きたい。」
こくりと頷く彼にキスをひとつ落とし、腰の律動を再開させる。
先程とは比べものにはならない水音。
僕が出て行かないよう縋り付いてくるナカ。
離れた口から二人を繋げる銀色の糸。
互いの首元に咲いた花。
「んっ♡♡ぶりゅーくっ♡♡きもちぃ///すきっ♡♡♡すきぃ♡♡♡」
「ん……僕も、僕も好きだよ、瑠璃……」
「そぇやだ…きんろきっ♡きんときってよんでぇ…♡」
「っっ……♡あ”はっ、なに?それ本名?遊男の瑠璃じゃなくて本当の自分として抱いてほしかった?かわいいね♡♡大好きだよ♡」
「……きんとき」ボソッ
「〜〜っぁ”!??///♡♡」
腰の律動を止め耳元で名前を囁く。
自分でも驚くほど欲に満ち、地を這うような低音。
「あれぇwきんときぃ?もしかして僕の声聞いて中イキしちゃった?かわいぃねぇ♡もっとイっちゃえ♡」
「まっへぇ♡♡もっむりぃ///はいんないっ、しぬっ、死んじゃうっ!♡」
「だぁいじょーぶ、死なない、死なない♡♡」
「んぁ”っおぐっ…!お”っ♡♡お”ぐッ…イグっ!ぶりゅっくっ♡すきっすきっ♡♡あ”っイグッイッちゃうっ……〜〜お”っっ♡♡♡♡」
きんときが初めてなことも忘れて欲のままに彼の最奥を穿つ。
こんなにも感じやすくて快楽に弱く、無意識で煽ってくる男が数刻前まで処女だったなんて、僕が処女を奪ったなんて本当なのだろうか。
遊郭にいたのに他の男に抱かれるなんてことなくて良かった。
「…あはっ、ここ気持ちぃね♡きんとき♡……っめっちゃ締まるッ///」
「ん”ぁあ”…!?むり”っ♡イグのとまんな”っあ”っ!あ”っまた///イ”っちゃっ”〜〜♡♡やだっイグッ///イグッ♡♡も”っ!いぎたぐな”っっ♡♡♡」
「んあっ///……あぶなっ、でちゃうとこだったじゃんっ!」
「…お”っ♡♡!!イ”っ…また”イグゥ//イグッ♡♡♡イくのとま”んなぁ!ぉあ”っ♡♡イ”ってり”ゅからぁ”♡♡♡やだぁ!ぶりゅくもぅ、とま”っへ”っ♡♡ごめんなさっ…ゆる”して、もう”ゆるしてぇ”……ごめんな”さぃ”…///ぶるっく…ぶるぅくっ!たすけへっ”だぇっまたクる”っ……っお”ッ〜〜ッッ♡♡♡♡」
「っ…もう少しでっイくから///そんなに泣かないで…?ごめんね、きんとき…もうちょっと頑張って♡♡」
暴力的な快感に耐えるため僕の背中に爪を立て救いを乞う。
彼をこんな目に合わせているのは僕なのに、僕に救いを求めるなんて本当に愛らしい人だ。
濁点混じりの可愛げのない喘ぎ声だって彼が奏でる琴のように美しい。
泣きながら終わりを乞う言葉を重ねているが、腰に脚を絡められ抜けるところまで腰を引くことができない。
ナカは奥に奥に誘い、入り口は僕のカリ首より先が抜けないように締め付けている。
結腸を突く先端が吸い付かれる感覚で僕も限界が近くなる。
「あ”〜やば//きもちっ♡でそうっ///」
「まっへ”っ、もむり“ぃ!!ぶりゅーくのでっ///おなかいっぱいぃっ♡♡♡くる”しっ///」
「〜〜っ♡///ほんっとに煽り上手だねっ!!」
「んあぁぁ”あ”っ//きゅっ、うにっ♡はげしッ////♡♡♡あ”っいく”っイグっイグッ♡♡い”っっ〜〜”♡♡♡♡」
ありもしない彼の子宮へ注ぎ込む。
彼のモノからは透明な液体が飛び散る。
初めてなのに己を失い結腸を責め、潮吹きまでさせてしまった。
いまだ余韻で脚やナカをビクつかせる彼からゆっくりとモノを抜く。栓を失った口からは先程出した欲がどぷりと溢れ出す。
久しぶりに人と行為をしたとはいえ、我ながら出しすぎたと謝罪をしようと顔をあげると、お腹をさすっては幸せそうな顔をするきんときに頭を殴られる。
「……ねぇ、きんとき。まだいけるよね?♡」
「んえっ!?あんなにナカに出したのになんでまた勃ってんの……////」
「はぁ……きんときがえっちなせいだけど……?ねぇ、挿れてもいい?もうキツイなら太ももでー」
「挿れて……俺のこと、めちゃくちゃにしてくれるんでしょ///もっと…もっとぶるーくのせーし、ナカにちょーだい?////」
「〜〜っ♡♡いいよっ♡孕ませてあげる♡♡」
このあと、彼のことも考えずに本能のまま腰を振り、抱き潰してしまったのは僕だけのせいではないだろう。
きんときのことを悪く言ったアレに利益が出るのは癪だが、吉原内で一夜にして動くほどの金額を身請け金としてだす。この金額はここの価値じゃない、きんときの価値だ。
身に危険が及ぶかもしれないが僕と共に居られるならそれでもいいと彼は言ってくれた。僕もいつ他の男に抱かれてしまうか分からないここに彼を残して中国には戻れない。
チャイニーズマフィアのボスとして。
男として。
愛する彼を守りきろう。
夜が明けても足腰が立たず、動けない彼を姫抱きして吉原を去る。
「本当にでれた……これからはぶるっくと一緒にいれるんだ……」
「うん、そうだよ。きんとき。」
これから毎日愛してあげる。