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#幽霊
凛道桜嵐 新
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#日常
がくじゅつてき・あかげ
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わーい
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相変わらずだるい。それでもなんとか起きて、シャワー室に入って頭と体を洗った。
病院の規則では、入浴後は排水口を掃除しなきゃならない。なので排水口をチェックしたんだけど、排水口にはありえないくらい髪の毛がたまっていた。
……もしや。
髪をつかんで引っ張ってみると、そのままごっそり抜けてしまった。うわあ……副作用の脱毛か……。
病室に帰って、太田さんと長田さんに「ついに髪が抜け始めました……」とぼやくと「あー、来たかー」と言われた。
「ほっとくと抜け毛ひどくてうざったいから、最初から全部むしっちゃうと楽だよ」
「そうそう」
「そうですか……」
確かにそのほうが楽なんだろうけど、いきなりハゲになったら千歳を驚かせてしまう、そう思うとなかなか踏み切れない。とりあえず、医療用帽子をかぶってごまかそう。
午後に千歳が来てくれた。
『その帽子どうした?』
「あー、ちょっと頭皮が過敏になっちゃって……なんてことないよ」
『大丈夫じゃないなら、大丈夫じゃないって言えよ? ワシ、何でもしてやるんだからな』
千歳がそう言って俺の腕に触れるので、俺は嘘をつききれなくなった。
「……髪の毛が抜け出しちゃって……ハゲ隠し」
『あ、そうか……』
千歳は、心配そうな顔ながら、得心がいったようで頷いた。
「髪抜けると、頭守るものが何もなくなるから、だから帽子かぶってて……」
『そっか、その帽子そういう意味で必要なのか……でも、治療終わればまた生えてくるんだろ?』
「1、2ヶ月で生えてくるって」
『なら何も心配いらない! 毛生え薬もいらないし!』
千歳は笑った。心からの笑顔ではなく、俺を元気づけようとする笑顔だった。
千歳……ありがとう。本当にありがとう。
コメント
1件
やっと最新話まで追いついたわ…! 副作用の脱毛、生々しくて辛い描写だったけど、千歳に「大丈夫じゃないなら言えよ」って言われてポロッと本音が出ちゃう主人公の感じ、すごく良かった。嘘つききれない関係性が沁みる。千歳の「毛生え薬もいらないし!」って笑顔も、無理して明るく振る舞ってるのが伝わってきて泣ける。お互いを思いやる空気が丁寧に描かれてて、心が温かくなったわ。続き楽しみにしてる🔥