蒼sid
『早速レッツゴー…』
『って、どうやって此処を出るの?』
「え、お前知らなかったのかよ」
『だって神社の外に出たことなかったし〜』
「はぁ…まぁ、いいや、こっち」
『うん!』
ザクッザクッ
土を踏む音、足跡は一つだけ。
何でか、それは隣の天使は浮いてるからだ。
「ところでアンタの大切な人って誰なの?」
『ん〜…』
『…昔、俺が小さかった頃』
『世界を知らない俺に世界を教えてくれた、唯一の人だよ。』
「ふ〜ん」
『自分から聞いといて素っ気なくするのどうなの!?』
「いや、素っ気なくしたつもりないんだけどな」
『むぅ…』
ポカポカポカ
「いたっ」
『んー!!』
ポカポカポカ
「いや、痛いって」
『ふぅ、スッキリしたぁ!!』
「俺はアンタのサンドバックか何かかよ」
「てか、俺のこと触れるんだな」
『勿論!俺のことが見えるのはほんの一部の人だけだからね!』
『その分、俺も相手のことを触れるようにしたんだ』
「へぇ〜、神って便利」
『だよねぇ』
「あ、そんな事言ってたら出たぞ」
『え!本当!?』
「んなしょうもない嘘付くわけないだろ」
『確かに』
一人では長く感じた山道が、君とならとても短く感じてしまった。
『ねぇ!早く行こう?』
太陽のように温かく、眩しい笑顔。
きゅんっ
(…きゅん?)
この感情は?
「急かすなよ」
『だって早く行きたいし』
楽しそうに笑うその顔を、ずっと眺めていたい。
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ザワザワ
『うわぁぁぁあ!!!』
『動物がいっぱいだ!!!』
「子供かよ…」
『だって!行ったことなかったし!』
目を輝かせる君を見て、また胸がドクッと脈を打った。
「…そうだったな」
『あ!兎だ!!』
「おー、ネザーランド・ワーフだ」
『え、何それ』
「兎の種類だよ」
『えぇ!蒼って物知り!』
「このくらい誰だって知ってるんだよなぁ…」
「….ってか、何で俺の名前……」
『…教えてくれたでしょ?』
「…そっか…….?」
違和感を感じたが、きっと気のせいだろう。
『ねぇ見て!亀が鳴いてる!』
「は!?鳴いてる!!?」
『ふふ、蒼も知らなかったんだ』
「珍しいからな…」
『あ!見て!象!』
「勝手に一人で行くな!!」
それからは、あっという間だった。
『今日は楽しかった〜!』
「そうだなー」
『棒読み』
「ごめん」
『てか、俺何処に帰ろうかな』
「あ、そっか、帰る場所ないもんな」
「…俺の家、来る?」
『え!行っていいの!?』
「別にいいよ」
『やったぁー!』
「狭いけどいい?」
『勿の論よ!』
「んだそれw」
また心臓が痛い、キュッと締め付けられるような。
『あ….』
「どーぞ」
『で、….』
「で?」
『でっかぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!???』
「え、何が」
『家だよ!家!』
「そんなにでかいか?」
『デカイに決まってるでしょあほんだら!』
「みんなこれくらいだろ?」
『んな訳あるかぁ!』
「まぁまぁ、さっさと入るぞ」
『家に門…しかも庭だけで絶対にオ○ンピック会場くらいある….』
「そんなにねぇよ」
「ま、いいや、入って」
キィ….
『門が勝手に空いた!?』
「うるさっ」
[お帰りなさいませ、坊ちゃま]
「あぁ、ただいま」
『し、執事!?しかもメイド!?何人いるのこれ!?』
「えーっと、ざっと30何人か…((『多いわ!!』だからうるせぇ」
「さっさと部屋行くぞ」
『う、うん』
ガチャっ
「あー、疲れた」
『蒼の家に来た方がよっぽど疲れるよ』
『てか、普通家の中にエスカレーターとエレベーターなんてないだろ』
「普通だろ」
『もーやだコイツ』
コンコン
[坊ちゃま、薫でございます]
「薫か」
[お食事とお風呂の準備が出来ましたよ]
「わかった、今行く」
「ごめん、待ってて」
『ん〜分かった』
×××sid
『ふふふ〜ん♪』
『何して待ってようかな〜』
『…取り敢えずお部屋探索〜!!!』
ガチャっ
『凄!本がいっぱい!』
『でも難しい本ばっかだなぁ…』
ガチャっ
『ここは外に出れるドア!』
ガチャっ
『ここは〜♪』
『寝室〜♪』
ボフンッ
『ふっかふかぁ〜!!!』
『んぅ…なんだか眠い…な』
スッ
『懐かしいなぁ…』
『また、蒼と….』
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【コホッコホッ】
キィ
【×××?】
【けほっ、あ、△…】
【病気大丈夫?】
【うん…けほっ】
【今日はね!ゆーえんちに行ったの!】
【そうなんだ…】
【うん!だから×××にも教えてあげる!】
【ふふっ、ありがと…】
【…ねぇ、△】
【ん?どうしたのぉ?】
【…俺の病気が治ったら、その時は】
〜〜〜〜〜〜〜
【うん!いーよ!】
【うん、それまで待っててね】
【うん、まってる!】
懐かしいなぁ、こんな幸せな日々が続けば…良かったのに…..
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続く
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