コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
昨日まで雨だったのに、晴れた夜。水たまりがビルにも多く残っている中、明るい声が夜の街に響いていた。
??(怪盗)「遂にこの街も制覇かぁッ〜!!」
月下、ビルの屋上の縁で先ほど盗んだばかりのパパラチアサファイアを月にかざしていた人影。
今ならやれる。私なら絶対。
??(怪盗)「あッ、そーだ!!」
と、ふと人影が消えた。
慌てて物陰から身を乗り出すと、
??(怪盗)「やっぱり刑事さんいた〜ッ!」
至近距離に顔があった。
??(刑事)「ひゃぁッ!?」
驚いて腰を抜かすと、相手はけらけらと笑った。
??(怪盗)「ひゃぁってw刑事さん女の子だね?」
顎を手に取られ、まるでキスをする恋人のように水たまりに映っていた。
慌てて突き放すと、憎い相手の顔が火照っていた。
お構いなしに手錠を取りだす…はずが、腰につけていたはずの拳銃と手錠がなかった。
??(刑事)「えっ!?どうして!?」
??(怪盗)「そう簡単に捕まるはずないでしょ〜ッ!♪」
見覚えがある拳銃と手錠を持ってすっかり通常運転に戻っているのに腹が立つ。
??(刑事)「返してよッ!!」
身長が低いので取り戻そうとぴょんぴょんっと飛ぶ。今思えば敵の前でなにをしているのかと疑いたくなるけれど、あのときは必死だったのだ。
??(怪盗)「……。」
黙りこくって口元を抑える動作にかなり蓄積されたストレスが、脳を壊したようだ。
強引に腕を取り、引き寄せる。
??(刑事)「グイッ、チュッ…」
??(怪盗)「!?」
さっきは水たまりにロマンチックなふたりが映っていたけれど、今は強引なキスを受けて頬を真っ赤にした怪盗と、最高の盗みをした刑事がいた。
大切なものを奪われた怪盗。
理性を一時的に無くした刑事。
さぁ、
次の最高のお宝は…………
see you next time…