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な お @ お た く
27
私が将校に引き取られて2日目。
牢に入れられる前と同じような生活が続いた。 … 少し違うことと言えば、私と 将校が同じ部屋で過ごす様になった。
2日前。
「どうして私と 貴方が同じ部屋なんですか!!?」
「大佐が、罪人ひとりに 一つの部屋を渡すなんて勿体ない。何をするか分からないから 同じ部屋で過ごすように と 言われたんだ。」
「 あ、貴方はそれでいいんですか!?プライベートもなにも なくなりますよ!?」
「構わない。」
食い気味で将校がそう 答える。
… このひとには、何を言っても無駄だ。どれだけ 私が声を上げ、拒絶しようが そんなの、将校にとっては 赤ん坊の泣き声と変わらないのだろう。
私は、それを 受け入れるしかなかった。
夢を見た。
とても、嫌な夢を。
昔、母親に殴られ、父親に犯された時の夢を。
苦しくて、吐きそうで、思い出したくなかったもの。私にとっての、地獄を。
… 息、が。できない。どうして?なんで?あれ、どうやって呼吸ってしていたっけ?
苦しい、目が、手が、脚が。なにも動かせない、誰かに助けて欲しくて声を上げたくて、手を伸ばしたくて、駆け出したくて。
それなのに、どれも言うことを聞かない。
死ぬのかな。
___嫌だ、怖い。
… 怖い?
何を言っているんだろう。
ずっと、死にたい と願っていた私には、丁度いいじゃないか。
誰からも、存在を求められない私など いてもいなくてもいい存在。なら。
「 ___ ぼう、参謀!!」
「 … は、ッ!?」
私は将校の 声で飛び起きた。
生きてる 、?死んでいない、?
そう安心したのも 束の間で。
「 しょう こ … ッ かひゅ ッ、」
息ができない。
仕方を 忘れてしまった。
上手く、話せない。将校の名前を呼べない。
「参謀、落ち着け。ゆっくり呼吸しよう。オレの 真似をしてくれ。吸って … 吐いて、吸って、吐いて … できるか?」
「 す ー …、はッ。すー、はー 。。」
将校に促され、私は 将校の真似をして呼吸をしようとする。
「そう、上手だな。繰り返せそうか?」
将校の問に 首を縦に振る。
そんな 私を見た将校が、私の頭に手を伸ばし、そっと撫でる。
___暖かい。
「ゆっくりだ。焦らなくて大丈夫だぞ。」
「 すー 、 はー … 。もう、大丈夫です、ありがとうございます。」
「驚いたぞ。任務が終わって部屋に帰ると、参謀が 苦しそうに 唸っていて、、なにか 嫌な夢でも見たのか?」
「 … えっと、」
「あ、すまない。思い出したくないよな。忘れてくれ。」
ハッと、将校が焦ったような 口ぶりで言う。ここ数日、この人と過ごしてきてわかったけど、私が思っているような ふざけた人間ではなかった。
むしろ、人として よく出来ているひとだと。 相手の気持ちを一番に考えて行動して、その人が 間違った方向に行こうとすれば 自身を犠牲にしようとしてでも 正そうとする。そして、国の 為に誰よりも率先して動いて、努力するようなひと。
… そりゃ、誰だって この人を好きになるはずだ。
そんな人が、どうして。
「参謀、好きだ。」
「 … はい??!!!!?」
この 裏切り者に 好意を持つ!?
私が将校に引き取られて1ヶ月。
唐突に 将校に言われた 「好き」の2文字。
理解ができない、ましてや私は男で、この国を裏切った者だ。それなのにどうして …?頭の中は それでいっぱいで、今日の分の 仕事には なにも手がつかなかった。
「参謀?ぼうっとしているみたいだがどうした?」
「うわ …っ!?」
将校が 背後から声をかける。
突然のことだから、反射的に 声がでる。
「はは、驚かせたか?すまない。」
申し訳ないとはまるで思っていないような声色で そう言う。こういう所が 嫌いだ。
「あのですね、前々から 言っていますが 背後から急に声を かけるなと …!」
「毎回 正面に回らねばならんのか?」
「違くて!!だから ぁ ~ …っ!?腰を抱きながら 声をかけるなと!!大体 いつもどうして 密着と同時に声をかけるんですか!!」
「こうしたら、少しは意識してくれるかと思ってな?」
「しません!!!離れてください!!!」
将校を 思いっきり突き飛ばす様に、手を前へ 思い切り押し出す。けれど、その手の先の将校は ビクとも動かなくて。
「え、?!な、なんで …!?」
ちっとも 動かない 将校に驚き、声が漏れる。いつもの ポーカーフェイスも崩れていたのだろう。将校が 私の顔を見て 笑う。
「ふは、赤ん坊の 威嚇みたいで愛らしいな。参謀?」
「誰が 赤ん坊ですか!!!!離れてください 仕事ができません!!!」
咄嗟に 近くに置いてあった書類で 将校の顔を覆う。すると 「へぶっ …!?」と、情けない声が 紙越しで聞こえ、少し吹き出した。
「な、なんですか 今の声 … ふふっ、」
「お前が 出させたんだろうが …!!」
少し 苛立った様な様子で言う。
カッコつけたがりの 将校のことだ、情けない声を 人前で出してしまって恥ずかしいのだろう。本当に 面白いひと。
将校との、こういう 他愛もないやり取りが心地良い。そう思ったのは ずっと前のことだが。
もう少しだけ、この 楽しい時間を過ごしても、許されるかな。
コメント
2件
あああああああ!好きですー!(唐突な告白)
第2話、読み終えたよ〜🌸 悪夢の描写がめっちゃ苦しくて、思わず息止めちゃった…😢 将校が優しく呼吸に付き合ってくれるシーン、あの「暖かい」って台詞にじーんときた💕 その後の告白、いきなりすぎて私も「はい???」ってなったよ!(笑)でも最後の書類で顔隠すやり取り、ちょっと笑えてほっこり☺️ 将校との時間が心地良いって思える主人公の気持ち、すごく分かるな〜。次の話も楽しみにしてるね!✨