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教室リーグ~底辺モブ生徒が分析スカウターで超名門校の序列をぶっつぶす~
第53話 - 第53話 【無血開城のカラクリ】共存を提案し「居心地の悪さ」で敵を操る!太陽王の恐るべき支配
20
1,023文字
2026年05月17日
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#ミステリー
有難朱生
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ユイ
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こうして俺たちの演劇の稽古は、学園内で最も危険な場所で始まった。
屋上の半分では、轟木一派が寝転がりながら、俺たちを品定めするように見ている。
そしてもう半分では柴田や結城たちが、その異様な視線に怯えながら、ハムレットの最初のセリフを口にする。
あまりにも歪でそして滑稽な光景。
だが稽古は、当然うまく進まない。
役者たちは、轟木一派のその威圧感に、完全に萎縮してしまい、声は小さく動きは硬い。
これでは演劇どころではない。
その様子を轟木と坂元は、楽しそうに眺めていた。
15分ほど経った頃だろうか。
轟木がソファに腰掛けたまま、坂元に話しかけていた。
「おい要介。ありゃダメだな。ガチガチだ」
「いや。まあ当たり前か。俺たちがガン飛ばしてるからな」
坂元も笑っている。
二人は目を合わせると、何かを同意したように頷いた。
坂元がわざとらしく、大きなあくびをしながら立ち上がった。
「あ!そうだ!剛造。やべえ、忘れてた。俺たち、この後大事な用事があったんだった」
轟木も面倒くさそうに立ち上がる。
「そうだったな。行くか」
彼らのその突然の行動に、部下たちが何のことか?戸惑っている。
轟木は俺と天宮の方を見ると、片手を上げた。
「悪いな天宮、音無。俺らは今日、これで帰るわ。リハ頑張れよ」
そう言うと轟木と坂元は、一派を引き連れて、屋上から去っていった。
後に残されたのは、呆然とする俺たちだけだった。
影の王が去ったことで、屋上の空気は一気に緩んだ。
役者たちの表情にも、ようやく笑顔が戻る。
俺たちの奇妙な立ち稽古初日は、こうして静かに幕を下ろしたかに見えた。
だが俺の脳内だけは静かではなかった。
奏:「ミラー。今の見たか?」
ミラー:「ああ。影の王の意外な『気配り』とでも言うべきか」
奏:「轟木剛造。やはりただの脳筋じゃないらしいな。面白い」
奏:「だがミラー。それだけじゃないぞ」
ミラー:「何がだ?」
奏:「結果を見ろ。轟木が自ら出て行ったんだぞ。そして天宮は一滴の血も流さず、轟木一派の機嫌も損ねず、この屋上を完全に俺たちのものにした。この恐ろしい成果に気づいているやつはいるのか?」
ミラー:「言われてみればそうだな」
奏:「ああ。無血開城だ。あいつは全て計算ずくだったんでは?俺たちの前で轟木と対話し、あえて共存共栄を提案する。そして何となく、居心地の悪さを感じさせる。そして自発的に彼らに『気配り』をさせる。全ては太陽王の脚本通りだ」
俺はその底知れない男の器の大きさに、ただ戦慄していた。
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