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いきなり聞くが、皆は転入して来た人に恋したことはあるか?いる人もいない人もいるかもしれねぇけど、俺は彼女に生まれて初めて恋をしたんだ。
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夏の初め頃、傑が夜蛾センから聞いたことを話してきた。
傑「悟、さっき夜蛾先生から聞いた話だけど、明日は女の子の転入生が来るみたいだよ。」
悟「は?まじで?」
傑からそんな言葉を聞いて、俺は驚いた。こんな自然溢れた何も無い場所に転入生が来るのは珍しいんだ。新しいやつが来るのを聞いて、俺は楽しくなってくる。俺は傑に「どんなやつだよ?」と質問した。
傑「ん〜、聞いた噂によるとその転入生の子はは美人で可愛いんだよ。」
悟「なるほどな。傑、俺かお前、どっちが落とせるか勝負しようぜ!」
傑「ふふ、私と悟、どちらが勝つかな?」
俺はその日、暫く傑と転入生の話で大盛り上がりだった。授業中も俺は転入生はどんなふうに可愛いのかどんなふうに美人なのかを考えていた。(授業の内容を聞いてなくてその後に夜蛾センにボコられたけどな。)
そして、授業が終わった後に転入生をどうやって落とすかを考えていた。考えて考えて考えまくった後、俺はベッドで就寝した。
次の日、少し早めに起きて用を足し、朝食を食べた。それから、髪を整えて制服に着替え、グラサンもかけ、丁度良い時間に部屋を飛び出した。俺は一刻も早くに転校生を見てみたかったからだ。俺が部屋を出て廊下に来たその時だった。
悟「痛えっ!?」
???「痛っ!!」
誰かとぶつかった感触がして、俺と誰かはその場で尻もちをついてしまった。最初、俺は傑かと思っていたがそれは違う人だった。
悟「…ったく、気を付けろよ…な?」
俺がぶつかった所をさすり乍、顔を上げて見るとそこに居たのは、今迄に見た事もないくらい綺麗な顔で可愛い女が居た。瞳は木賊色(とくさいろ)で髪は煤竹色(すすたけいろ)をした綺麗な色だった。その女の目は迚澄んでいて、その瞳に吸い込まれるかのような感じだった。
悟「…………。」
俺はそいつに心を打たれたかのように体が硬直し、言葉さへも出なかった。その場で沈黙が続いたが、最初に言葉を発したのは女の方だった。
女「あの、ぶつかってごめんなさい。私、迚急いでいて慌てていまして…。怪我はありませんか?💦」
と女はそう言ったが、俺はぼうっとしていて女の話を聞いていなかったが直ぐに我に返った。
悟「ん、大丈夫だし。それに、お前は大丈夫なのか?さっき強くぶつかっちまってたけどよ。」
俺がそう言うと女は「大丈夫です、どこも怪我してないですから。」と返事をした。
女「それより、貴方も大丈夫なのですか?顔にかすり傷ができてますが…。💦」
悟「えっ?まじで?」
慌てて自分の頬に手を当ててみると、確かに女の言う通り、頬に傷が出来ていた。何で怪我したのか分からないが、さっきのぶつかった衝撃で何処かにかすったのだろう…。💦しかも、俺は無下限呪術で触れないはずなのにどうして怪我をしたのかが分からなかった。
俺は舌で舐めれば治ると思ったのだが、舌から届かない位置にあったので駄目だった。絆創膏を貼って治そうと思ったが、あいにく絆創膏を持っていなかったので諦めた。俺がそう思っていると、女は俺の心を読んだのかこう言った。
女「もしかして絆創膏が無いのですか?今、私が持ってますが。💦」
女はポケットの中から絆創膏を取り出し、俺に1枚手渡してきた。
悟「ん、サンキュ。」
そう言うと、俺は立ち上がって埃をはらって女の手を掴んで立ち上がらせようとしたが、彼女は大丈夫だと言われ断られてしまった。そして、女は付けている腕時計を見て、思い出したかのような顔をした。
女「あ、大変!早くしないと予定の時間に遅れちゃう!ぶつかって本当にごめんなさいね!!💦」
そう言うと、彼女は早歩きで廊下をスタスタと歩いて行った。彼女が行ってしまった方向を俺はずっと見詰めていた。そして、この時の俺は全く分からなかった。俺の胸がなんだか変な気持ちになっていることに気付いたのは、彼女が此処に来て暫くした日(とき)のことだった。