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部屋の灯りはつけず、恒はペットボトルを机に置いた。
冷蔵庫の音だけが、静かに鳴っている。
バッグを椅子にかけて、ソファに腰を下ろす。
何もしていないのに、今日のバイトがまだ続いている気がした。
「……見てないと、僕のほうが崩れる。」
あの言葉が、頭の中で繰り返される。
そして、あの顔。
ふにゃっとした笑顔じゃなくて、感情を閉じ込めた真顔。
恒は、あれを見た瞬間、何かが引っかかった。
ひろが俺を見ている理由。
ただの責任じゃない。
ただの相棒でもない。
恒は、ソファに背を預けたまま、天井を見た。
ひろは、俺を守ると言う。
でも、それは自分を保つためでもある。
俺が崩れたら、ひろも崩れる。
そのバランスで、ずっと立ってる。
「……依存か。」
口に出してみると、思ったより重く響いた。
でも、否定する気にはならなかった。
恒は、目を閉じた。
ひろの「好きなものは勝手にできる」という言葉も、静かに残っていた。
好きなものができるとき、ひろはそれを俺に見せるだろうか。
それとも、俺が気づくしかないのか。