テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
明日からの東京行きの準備を終え、ミハルからの連絡を待った。時計を見るとあれからだいぶ時間が経っている。
まだその友達といるのだろうか?まさか、俺とのことを止められたりしてないだろうか?
突然、不安にかられる。
___どうしようか?そうだ、緊急事態的なコメントをしてみよう
〈高速バスで、すられた!最悪だよ!ミハルに会いたいよ〉
送信。
これをミハルが見れば、きっとすぐに返信してくれるはずだ。
そのまましばらくの間、画面を見ていた。
既読になったが返信はない。まだ友達といて返事もできないのだろうか。
〈ミハル?まだ友達といるの?俺のこと、忘れてない?こんなに好きにさせといて、後回しなの?〉
既読にならない。
スタンプも送る、アイラブユーの。
既読にならない。
〈ミハル!何かあったの?答えて!〉
〈大丈夫?〉
〈もしかして事故とか?〉
どれも既読にならない。
通話ボタンを押す。何回呼んでも出ない。嫌な予感がする。でも、慌ててはいけない。勇み足でしくじって、たとえばミハルの夫に俺との関係がバレるようなことになってしまっては、元も子もない。友達と話が弾んで電話を取れないだけかもしれないのだから。
焦れる気持ちを抑えて、確実にミハルが友達と別れて1人でいそうな時間まで待つ。
〈友達とのおしゃべりは楽しかったかい?俺はミハルからの返事がなくて寂しかったよ〉
やはり既読はつかない。
___まさか?!ブロック?
友達とやらの入れ知恵で、ブロックされたとか?だとしたら…。
急いで【花開く】にログインして、ミハルのコメント欄に書き込もうとしたが……
“退会しました”
「やられた!!!」
それからあとも、俺が送ったコメントはいつになっても既読にならなかった。考えてみたらLINE以外の個人情報は何も知らなかったと気づいた。
LINEをブロックされてしまったら、こちらからは連絡のしようがない。
でも、そのうちまたミハルから連絡があるような気がしている。だってあんなにお金を返して欲しがっていたのだから。
___大丈夫だ、俺との間にはお金というつながりもある
今日から3日間は大事な接待だ。強力なドリンクの代わりに、アノ時のミハルを思い出して挑むとする。
「愛してる」と言ったミハル。
「お金は必ず返して」と言ったミハル。
俺のことを、ミハルがふるわけがない……。
______完。
コメント
2件
うわぁ翔馬かなりやばいな……