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「アルが戻したアルね!これでイイね?」とチャイナ服の少年が言う
「あ、樳《ジン》君……」とメズルの頬が緩む
「メズ姉を怒らしちゃダメアルね」と樳が喋る
「樳君…ありがとうね……」とニコッと笑いかける
「メズ姉は休んでてイイね、あとはアルがやるね!」と息巻く樳
「じゃ、僕たち仕事してくる」と樳とメズルに言う
「い、行ってらっしゃいませ…」とぺこっとお辞儀するメズル
「行ってらっしゃいアルね!」と元気よく手を振る樳
そんなふたりを横目にスカーレットとネムは資料館を出た
資料館を出るとまず初めに目につくのは城だ
「あの城の中…誰がいるの……?」ネムはジッと観察するように見ながら言った
「えーっと…最初に迷冥界に辿り着き抜除氏の制度を作った人迷冥界最、伝説の抜除氏とそれを支えていた人…らしいけど私たちは入れないわよ〜」とやけに詳しいスカーレットを怪しむネム
「あら?どうしたのよ」と怪しむネムに尋ねるスカーレット
「ねぇ…伝説の抜除氏の名前は?」
「スカーレット・ヴァジュニラ」
「スカーレット…ね……」
スカーレットは返事をせずにクスッと笑う
「…答えなきゃ”視る”よ?」
「視たければ視たらいいわよ?」
「この人の中でその契約印を見られてもいいのであれば、だけれど」とスカーレットはネムの右目のショッキングピンクのドクロのマークが付いた眼帯を指さした
「……ッ、もういい」とネムは門を抜ける
「あ〜…不貞腐れないでよ〜」とネムを追いかける
そんな2人を観察する2つの影があった
「ネム……異常なし」と狐のお面を被った中国風の少女が言う
「仕事飽きた〜…」とその場に腰を下ろす狐のお面を被った中国風の青年が言う
「あの方の方針よ、ちゃんと仕事して哥哥《兄様》 」と青年に呼びかける少女
「あの方、ねぇ〜…ほかの抜除氏のように働くのはなんでだろ〜」と哥哥と呼ばれた青年は言う
「そんなの私たちは知らなくていい、私達はまだ仕事をこなしておけばいい」と少女は手に持っていた資料にチェックを入れていく
「もう何十万年ここにいるかわかんないし…なんでこんな事を俺達が…」と青年が言う
「スカーレット・ヴァジュニラ様の御命令よ」とため息混じりに少女は言う
「でもずっとそばにいるじゃんかよ〜…」と青年が言う
「移動するよ哥哥」と青年に呼びかける
「はいはーい」と少女を姫抱きにする青年
「めんどくさい…なんでこんな事するのさ…」
「ネム・ヴァジュニラを監視することを命じられているんだから」と青年に抱かれながら少女が言う