チュンチュン___
世一「んっ…学校…」
昨日のことがあって行きたくなかったがノア様に心配とかされたら申し訳ないからなぁ…と思い悔しながらも行くのだ
カイザー「お、随分と遅い起床だな」
ネス「世一の分際で寝坊なんて度胸がありますね」
世一「朝なんだから静かにしてよ…」
カイザー「世一君は早い反抗期だ事」
世一「うるせぇ!」
ネス「世一カイザーに向かってその口の利き方はイエローカードですよ!」
何処から出したか分からないネスの手には綺麗なイエローカードだった
世一「何処から出したんだよ!審判じゃないんだからしまえよ!」
ネス「なっ…!」
カイザー「朝から元気で何よりだ、所で世一学校はいいのか?」
世一「はぁ?…やっばッ早く言ってよ!」
カイザー「何故だ?」
わざと顔をニヤニヤさせ面白がっているのが正直ウザイ
世一「ッ~行ってくる!」
カイザー「気をつけろよ」
ネス「そこら辺の所で寝転死んでるといいです!」
朝から物騒な言葉が降ってきたがこんなのもう慣れた
俺って結構すごいかも
それよりこんなにも学校に行きたくないのは初めてだ
日本じゃいつも通り徒歩で行き友達と話し合いながら廊下を歩き授業が始まる
でも今じゃ違う
自分のクラスはなくロッカーが自分の定位置になりぼっちにとっては苦痛で仕方ないだろう
生徒『潔君だったわよね、昨日は大丈夫だった?』
世一『うん…』
生徒『それなら良かった…』
生徒『おい、世一!』
世一『ぁ…』
生徒『な、何か用?!』
生徒『お前には用はねぇよ、どっか行け』
生徒『はぁ?私は潔君の友達よ!』
世一「!」
昨日あったばっかだがこんな俺を友達と言ってくれたのだ、ドイツで初めて友達が出来た!
生徒『そうかよ、俺も世一の友達だからいいだろ?なぁ』
生徒『何処が友達よ!昨日怪我をさせといて!』
生徒『かすり傷だろ?過保護のママかよw』
生徒『それでもッ!』
世一『大丈夫だよ!、大丈夫』
生徒『で、でも!』
世一『ほら、授業が始まっちゃう、ね?』
生徒『…わかったわ』
本当に俺はどうでも良かった、虐めとか俺には無縁とか思ってたけどまさかこういうのが来るとな思ってなかったなぁ…いじめをして何が楽しいとか分かんないし、なんで笑うのかも知らない
それにこの女の子もなんで助けてくれるのか分からない、だってこの人は俺と知り合いでもなく昨日であったばっかの子でいつの間にか友達と名のなれた仲だ
潔世一はまだ小さく年齢も精神年齢も幼い、だからまだ人間としての常識も揃われていない、大人がする電話した後怒っている姿は分からないし当たり前にレストランでの食事のルール、マナー、現実の辛さなんて知ったこっちゃない
ドイツの学校は日本と違い判断力が大切である、全て人を見て行動をしろというような日本の教育で育った潔世一には到底理解し難いのだ
こういう光景も見たことはあるが”助ける”という光景は見たことがなかった
道徳も習ってはいるが海外に道徳がないのは教育性が違うからだろうか
生徒『逃げんのかよ!』
生徒『無視しましょ、』
世一『うん』
生徒『チッ』
ジリリリリッ___
授業開始前のチャイムがなった
ドイツってこんなにも差があるのだと実感した
小学二年生にしてはレベル高すぎないか?
どうして皆は着いてこれるんだろ、これが普通と思ってんのかな…
生徒『潔君、早く次の授業行きましょ』
世一『あ、うん』
比較的集中出来たのは吃驚だった
生徒『じゃあね、潔君!』
世一『また明日!』
生徒『よぉ、世一』
世一『…何?』
生徒『無愛想にも程があるぞ?それに俺はお前より年上だ!6年だぞ?』※ドイツではあまり上下関係気にしません
世一『…?』
生徒『底辺なんだよ!』
この言葉には少々…嫌結構腹が立った
生徒『あ?なんだよその目』
お母さんには人は傷つけたらダメって言われているのだ、だから傷つけたらダメ
そう、だから我慢だ俺
世一『…』
生徒『聞いてんのかよ!』
ゲジっと効果音がなるような蹴り方をされ地面に倒れる
その時俺は此奴に負けたんだと感じた
それが悔しかった、何故か悔しかった
生徒『はっ、良いザマだッオラッ!』
世一『うっ…』
細い声を出しめいいっぱい考えた
少ない知識の中で
生徒『なぁ、結構ヤバいんじゃねぇの?』
生徒『はぁ?なんでだよ』
生徒『だって、此奴何度も殴ってんのに気失わないんだもん…』
生徒『ビビってんのかよ』
生徒『ち、違ぇし!』
生徒『そろそろ暗いし帰ろうぜ?』
生徒『…だな』
そんな事を言いながら俺から遠のいていく
世一「…負けるのだけはヤダ…」
潔世一は負けず嫌いだ
世一「ただいま」
カイザー「嗚呼、おかえ…り…世一?!」
ネス「どうしました?!カイザーッ…ちょっ、どうしたですかその怪我!」
世一「…絡まれちゃって」
カイザー「誰にだ」
世一「わかんない、名前知らない」
カイザー「そうか…学校の奴らか?」
世一「…」
潔世一は迷った、これを言ってしまったらあの人たちが困ったり傷つくんじゃないのかって、何処までも優しいのは家族の育てかたでしょう
世一「いや違うよ、唯…でかい大人に絡まれただけ」
ドイツの治安の良さは自分自身でも理解してはいたが思いつく嘘がこれしか無かった
カイザー「…嘘は良くないぞ世一」
世一「嘘じゃない」
カイザー「世一」
世一「…嘘じゃ、ない」
カイザー「…世一」
世一「…ッ嘘じゃないって!大丈夫だから!そんなに酷い傷じゃないしッすぐ治るよ!だからッ…」
カイザー「…わかった、今日は俺と寝るか」
世一「それは…ヤダ」
カイザー「空気を読め」
ネス「まだ小さいんですしその知識も入れておかないとですね」
Gute Nacht yoichi___
tap - 2400
コメント
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えっなにこれ昇天しそうなんですがっ あっもうしかけてるわぁ(*´▽`*)
今度から早く見るように頑張ろ...