というか、ノアってお金持ちのお坊ちゃんだったはずだよな…
え、嬉しい!!
声のチューニングが終わったらしい兄が扉に向かって声を少し張る。
「入って 」
いやぁ、声変わり過ぎでは?
などと考えていたら数秒後、若いであろう男性が入ってきた、おそらく執事だろう。
…この人、攻略対象の1人では?
「失礼します」
…絶対そうだ。
名前はヴィリアン・マレウス。
この艶々の黒い髪、目は宝石のように澄んだ翡翠色。
落ち着いた低い声、少しつり上がった目、整えられた眉毛、スラッとしている体型。
…執事だったんだ、しかも俺の家の。
マレウスは他のキャラより人周り口が悪かった。
そんな奴が執事なんて…
「マレウスか、どうしたの?」
兄が少し首を傾げてマレウスに聞いた。
かわいいな、さすがノアの血を引いてる子。
「そろそろご飯のお時間でしょう、シリア様」
兄の名前はオリバー・シリアというらしい。
兄が納得した顔をして頷いた。
「あぁ、忘れてた、ノアも連れて行っていい?」
もちろんです、とマレウスは頷いた。
あれ、マレウスが近寄ってきてる。
「初めまして、オリバー・ノア様」
マレウスが畏まってお辞儀をしてきた。
仮に相手は赤ちゃんなのだからそんな畏まらなくていいのでは?
マレウスはそのあと、兄にも挨拶をした後、「これからよろしくお願いします」と言ってから俺を抱き抱え、兄と共に部屋を後にした。
その後、食事をする部屋にマレウスが抱いて連れていってくれた。
その状況の俺を見て、父…だと思う人が目を輝かせてこちらへやってきた。
「ノア、おはようっ!」
父さんの挨拶が終わると母さんも横からでてきた。
「おはよう!」
俺の父さんの名前はオリバー・セシル。
母さんの名前はオリバー・マリー。
情報を整理していたら父さんの顔が近くにあって吃驚。
え、どんどん近づいてる…
…額に口付けを落とされた。
父さんがイケメンだから心臓に悪いんだわ!!
父さんはまた俺の額に口付けを落としたあと、俺の食事を持ってくるよう、メイドにいいつけてくれた。
数十分経って食事が終わると父さんは仕事があるらしく部屋を出ていった。
…父さんいい人ぉっ!!!!!!
⚑ » 次回へ続く
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