Sunflower ④ -1 (wm×f)
藤澤side
【控え室にて】
藤澤「おはよぉ〜ございます」
大森「涼ちゃんおはよ」
藤澤「あれ?元貴が一番だなんて珍しいね」
大森「ちょっと衣装の事で打ち合わせしてた」
藤澤「へぇ〜、今日はどんな衣装か楽しみだなぁ」
大森「あ、もう決まってるよ。今日の涼ちゃんはこれにしようかなって」
衣装がズラりと掛かったラックから取り出されたのは、黒いスーツと白のワイシャツ。
藤澤「黒のベロアのスーツって珍しいねぇ」
大森「後、スーツの襟にラペルピン足すけどね」
藤澤「ちなみに元貴と若井はどんなの?」
大森「ベースのスーツは一緒だけど、シャツがそれぞれ違う感じ。俺がリボンシャツで若井はボタンダウン。ラペルピンもちょっとずつ違うかな」
そう言ってアクセサリーボックスからラペルピンを取り出して並べる元貴
大森「ピンはメイクとヘアセットが終わって着替えた時に雰囲気で決めようかなって思ってる」
藤澤「ほぇ〜、じゃあピンは最後に元貴が選んでくれるんだね。今日はみんな正装って感じでかっこいいねぇ〜楽しみだなぁ」
普段の僕は色鮮やかでフェミニンな衣装が多いから今日みたいに凛々しいって感じの服を着るのはそれはそれでワクワクしちゃうんだよねぇ……なんかかっこいいって感じがしてさ。
ワクワクしながら、僕のルーティン化しているお弁当チェックをして、若井の到着を待とうとしていたらタイミング良く若井が入って来た。
若井「おはよーごさいまーす」
藤澤「若井おはよぉ」
大森「おはよ」
藤澤「ねぇねぇ若井っ、今丁度見てたんだけど、今日のお弁当は中華弁当と13品目の彩り弁当とトンカツ弁当だったよ!」
若井「う〜〜ん……どれも美味そうだなー」
藤澤「多分、元貴は彩り弁当を取りたがるだろうから中華かトンカツの二択かな……若井トンカツ大好きでしょ?今日トンカツ弁当にする?」
若井「トンカツ好きだけど涼ちゃんもトンカツ好きじゃん。涼ちゃん俺より先に来てるんだから遠慮せず先に取ればいいのに」
藤澤「大丈夫っ。中華弁当に僕の好きなザーサイと焼売が入ってたんだ」
若井「ん〜……じゃあトンカツ分けてあげるから涼ちゃんの何かおかずと交換しよ」
大森「ちょっと!俺も涼ちゃんと交換!!」
藤澤「ふふっ、今日のお弁当は豪華になるねぇ」
今日は先にお弁当を食べてから着替え、メイクの順番。
言ってた通りおかずの交換をしてワイワイしながら3人で食べた。
まあ、元貴と若井のおかずの奪い合いが始まっちゃって、若井の苦手なオクラを元貴が無理やり口に突っ込んだのが悪いんだけど……
若井「涼ちゃん!口直し頂戴!」
藤澤「うーん……じゃあこの肉団子あげるね」
若井「あーん」
藤澤「え」
若井「あーん」
藤澤「……た、食べさせろって?」
僕の問いにコクコクと頷く若井。
ほんのちょっとめんどくさいなと思いつつも、若井の口に肉団子を入れてあげた。
若井「……モグモグ……美味っ」
大森「ずっるっ!涼ちゃん!俺も!俺もあーん」
藤澤「はいはい、元貴にも肉団子ね、はいっ」
大森「……モグモグ……うっまっ」
多分元貴も言い出すだろうと予想した僕は、成長したと思う。
こうやって3人で居る時は最近ふたりが争ってばっかり……
俺が!俺も!ってなるから僕はふたりを平等に扱う事を学んだんだよね。ふたりを平等に扱えばどちらかが喧嘩をふっかける事も少なくなって僕のカミナリを落とさなくて済む。
一応、怒るのにも体力使うしね……
「「「ご馳走様でした」」」
大森「さて、着替えますか」
藤澤「はーい」
若井「へーい、今日の俺の衣装は〜……これね」
大森「俺、その前にトイレ行ってくる」
元貴の合図でそれぞれ着替え始める。
僕はズボンから着替えて、シャツを羽織りボタンを留めようとしていたら不意に後ろから若井が声をかけてきた。
若井「涼ちゃんココどうしたの?」
藤澤「え?どこのこと?」
若井「ココ、赤くなってる」
ココと指先で押された場所は肩甲骨の上くらいの場所で昨晩痒かった場所だった。
藤澤「あぁ、昨日凄く痒かったんだよねぇ、掻いちゃったから赤くなったのかも」
若井「ふーん」
藤澤「え?そんなに赤くなっ……ひゃいっ、わ、わかいっ」
若井「掻いたなら消毒しとかないと、ね」
消毒と称して若井は昨日僕が掻いた場所にキスをして、舌で舐めてきた
藤澤「ん、ふっ、わかいっ、やめっ」
若井「大丈夫、ちゃんと消毒するから」
藤澤「ーっつ、いっ」
消毒と言いつつ、何故か僕の肌を強く吸ってきた若井
若井「よしっ、消毒完了っ」
藤澤「ちょ、若井何したの?」
若井「だから消毒だって」
藤澤「み、見えな、……か、鏡……」
僕が鏡に背中を向け若井が何をしたのかを確認していたら、丁度トイレから元貴が戻ってきた。
大森「ただいまー……って涼ちゃん何鏡と遊んでんの?」
藤澤「い、いや、遊んではなくて…………あーー!!若井なにこれぇ!!」
何となく想像はしてたけど、僕の背中にあったのは想像してたもので当たってた……
そう、キスマーク
前に元貴が僕の耳下にキスをした時のように肌がチクっとしたからそうじゃないかなぁって思ったんだよね……
大森「涼ちゃんどうしたの…………あーー!!」
若井「元貴、勘違いするなよ、俺はあくまでも消毒をしただけだから」
大森「何が消毒だよ!跡付けたかっただけだろ!お前まだ根に持ってたのかよ」
若井「ちがいますぅ〜」
大森「ふーん、じゃあ……ねぇ涼ちゃん、俺も涼ちゃんに跡付けていい?」
藤澤「え、」
若井「は?元貴何言って」
大森「若井は黙ってろ。涼ちゃん若井だけズルい……ねぇ、俺も涼ちゃんに跡付けたい……だめ?」
僕のシャツを引っ張って懇願してくる元貴
これもいつもの手段……眉毛を八の字にして上目遣い。
可愛くてつい仕方がないなって許しちゃう僕も僕なんだけど今日はちょっと厳しいお願いすぎる
藤澤「い、いや、今から撮影だしムリムリっ」
大森「若井だけ特別なんだ……涼ちゃんは俺より若井がいいのか……そっか……うっ……」
藤澤「ちょっ、元貴っ、なっなっ泣かないで」
若井「涼ちゃん騙されんな〜、絶対嘘泣きだぞ〜」
藤澤「若井、いくら何でも酷すぎるよ!あぁっ元貴っ!目を擦っちゃダメだよっ!」
大森「だって……だって……うぅっ……」
藤澤「ごめんっ、ごめんね?僕は元貴と若井に差なんてつけてないよ?!どっちかだけ特別だなんてないからっ!」
大森「……ぐすっ……ほんとに?」
藤澤「ほんとほんと!」
大森「若井だけ特別じゃない?」
藤澤「うん、特別じゃない!」
大森「……じゃあ、俺も跡付けていいよね?」
藤澤「うん、いいよ!…………って、え!あれ?!」
大森「やったぁ!!1回了承したんだから今更撤回はなしだよ」
若井「ほら見ろ涼ちゃん、やっぱ元貴泣いてないじゃん」
藤澤「あ」
顔を上げた元貴の目には涙ひとつ出ていなかった……若井の言った通りの嘘泣きだった……
若井「あ〜あ〜……俺は俺で涼ちゃんに怒られ損か〜」
藤澤「若井ごめんっ、嘘泣きだなんて思わなくて……」
若井「傷付いたから俺ももう1回跡付けさせてね」
藤澤「ちょっ、まってよふたりともっ……ンンっ」
その2に続きます
コメント
6件
このシリーズ好きで、更新嬉しいです❣️ 2人に振り回される💛ちゃんが💛ちゃんらしくてニヤニヤしちゃいます🤭
この空間幸せすぎます…生み出してくれて本当に感謝です…。 いつも振り回される藤澤さんが可愛くてしょうがない…あれ…私もお二人さんに似てきたかな…🫣
続きが楽しみ