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💖side
セイちゃんが去った後、しばらくその場に動けずにいた。
タイミング悪く始まった花火をしばらくボーッと眺めていたが、帰らなきゃと思い会場を後にした。
どんどん遠くなっていく花火の音を背に、帰路に着く。
セイちゃん、カイリュウのこと見つけられたかな、、もし会えてたら2人はどうなるんやろ。
ハッキリとセイちゃんに断られた瞬間、悲しさと同時に安堵の気持ちが浮かんだ。
初めて気持ちを伝えた日から、ずっと苦しくて。でもそんな姿をセイちゃんに見せたくなくて気丈に振る舞っていた。
だから、やっと諦められるんやと思うとホッとする自分もいた。
セイちゃんには、ずっと笑ってて欲しい。それはナオの隣じゃなくても。
やっと心からそう思えて、気持ちが軽くなる。
そう思いながら歩き続け、家が目の前まで近づくと1つの人影が見えた。
「おかえり、ナオちゃん。」
そこには優しく微笑むエイキが立っていたーー。
「なんでっ、なんでいっつもおるん?やめてよ、、!1人になりたいんよ、っ。」
いつも辛い時に現れるエイキを見て、涙が出そうになる。
「、、、1人にさせるわけないでしょ。分かるから。ナオちゃんのことなら。分かりたいって思うから。」
その場に動けずにいると、エイキが近づきそっと手を握る。
「セイトのこと、まだ好きなの分かってる。困らせるのも分かってる。でも、もう泣いてるとこ見るのは嫌。だから、俺にしてよ。ナオちゃん。」
そう言ったエイキに抱きしめられるとあの日と同じ、優しい匂いがしたーー。
ーーーーーー
🐰side
カイリュウを抱きしめてからどのくらい経ったか分からない。でも、今だけは離しちゃダメな気がしてそのまま強く腕に力を込める。
「、、、セイト。なんかあったん、、?」
心配そうに俺の様子を伺うカイリュウ。こんな時まで優しいんかよ。
あの日、カイリュウの歌う姿を見た瞬間、もう俺は恋に落ちていたと思う。
そこから毎日のようにカイリュウを追いかけて、深く知れば知るほど好きが増していって。
それでも、もっとカイリュウのことが知りたい。
俺の知らないところで誰かに向けられる笑顔に我慢ができない。
ーーもう、気持ちが抑えられない。
「カイリュウ、好き。初めて会った時から。もう我慢できん。俺のこと、好きになってや」
振り絞るように想いを告げた。
カイリュウは何も言わず、俺の腕の中にいる。
言ってしまった。でも、ずっと言いたかった。
カイリュウが俺のことを好きじゃないのは分かってる。でも、まだ諦めたくない。
「、、、返事はすぐじゃなくていいから。でも、文化祭が終わるまでには答え聞かせて。」
そう言って、カイリュウから体を離し、振り返って歩き出す。
カイリュウがどんな表情をしていたか見るのが怖くて、逃げるように去ってしまったーー。
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書き溜めしているので一気に出してすみません🙇♀️
一旦ストックがなくなったのでまた増えたら更新します🙇♀️
佐野いちご
95
コメント
1件
読ませていただきました。第22話、切なくて温かい気持ちが同時に押し寄せてくるエピソードでしたね。 ナオちゃんが「やっと諦められる」と感じたあの瞬間、長く苦しかった気持ちが少しずつ軽くなっていく感覚が本当に丁寧に描かれていて、胸がぎゅっとなりました。それでもエイキくんが「泣いてるとこ見るのは嫌」って言って抱きしめるシーン、優しすぎてずるいです…。 一方、セイトくんの告白もドキドキしました。カイリュウをぎゅっと抱きしめたまま想いを伝えるところ、気持ちが溢れ出るようで切なかったです。返事を文化祭まで待つって、勇気いる選択ですよね。 両方のサイドのお話が同時に進んで、それぞれの恋の形が浮き彫りになっていて、続きがすごく気になります!あめさんの描く心理描写、いつも繊細で素敵です🌷