Let’s see if it’s true love.
ぶぅぅううん、、重低音を響かせながら車を出す。スタイリッシュ系の車。
Nissan GT-R
外見はガンメタリック、無駄なデカールなし。シンプルだ。静かだが存在感がすごい。内装は革シート。金属とレザーが落ち着く。
よいしょと座席に腰をおろし車をだす。
夜。怪獣が出なくて平和だな、。
道路を走っていく。街灯や街のあかりが何事もなく今日も光っている。いつもならそんな光景を見て落ち着ける。
今は違う。これから見合いから帰ってくる恋人を車に乗せ帰る。めがまわりそうだ。
きっと何事も無かったかのように振舞って帰ってくる。そんなことを考えるとますます憂鬱になり、集中できないため、かけていた音楽のサウンドを上げる。
だいたいあと5分で着く。
さいあくだ、、。
本当に、、ボクのこと好きなのかあいつは、
目的の場所につき待つ。まだ保科は居ないようだ。縛られているベルトを外し一旦姿勢を楽にし考える。
見合い…見合い……、、本当に見合いか、??でもあの情報と写真は間違いないだろう。
ふと、良くない想像が自分の感情をさらに掻き立て、心臓を縛る。
今日見たあの写真の女性と保科。
2人揃って笑っている。ボクと過ごすよりも楽しそうに、…、。。穏やかに、…。、
すごく、すごく悔しいぐらい似合っている。やっぱりきっと、、……保科の隣はボクが居ていい立場じゃないのかもしれない。もちろんボクだって初めはそんなこと考えた。でも保科はボクを選んだ。それで解決終わりだったはずじゃないか。なんで今更、、ボクらは上手くいってたはずだ。
両手をハンドルにかけ頭を下げ突っ伏した状態のようになる。
どう、、これからどうしてけば、、??
もし本当にもうボクのことを好きじゃなくなったなら、、、……
だめだ、考えるな、
泣きそうになる。必死に感情を抑える。目から涙が溢れないように必死に止める。
がちゃ
「鳴海さん??」
「ほ、ほしな、、っ、」
「すんません、、ちょお長引いてしもて、」
「待った、??」
お前は隠すのが上手いからな。
でもボクはお前とずっと、
ずっと居る
そこら辺の生半可な奴らとは違うから
全部分かる。
きっと、お前はどこまでも優しいから。ボクを傷つけないようにしてるだけ。
「…まってない」
「ほんま??」
「ならよかったです」
そうやって微笑んで見る顔ももうボクだけのものじゃないんだきっと。
他の奴にも向けるんだ、。
ボクだけじゃない、、。。。
「…、、」
「…??」
「なんか、元気ないな、??」
「なんかありました?」
「……」
今隣にいる恋人はもう、
ボクだけのものではなくなる。
きっと他のやつのところに行って、ボクとは違う沢山の別の愛をもらうんだな。たくさん愛されたくさん愛の言葉を囁かれたくさん愛を与える。きっとボクがあげるよりも…言うよりも、、、貰うよりも、、もっとずっと良くて、美しくて人間らしい感じになるんだろうな。
「なんでもない」
「ほんま、??」
「うん。」
「……、」
「あ、ほな帰りケーキ屋寄ってもろてもええ??」
「…ん」
「ありがと鳴海さん♡」
「くっつくな!!はやく座れおかっぱ!!」
「嬉しいくせに」
嬉しい
嬉しい
嬉しいよ
でももうやめろ保科。
そんなことするな。これ以上ボクに好きと思わせるな。もう、毎日どんどん大きくなると本当に戻れない。きっと、、きっとお前がボクに別れを告げる時、ボクはすんなりと受け入れることができなくなる。
だから、
「そんなわけない」
「なんやもう、」
「いつもなら照れながら嬉しい言うやん」
「やっぱ今日なんかあった、??」
「なにもない」
車を走らせる
ちりん、と金属の高い音を鳴らし扉を押す。お目当てのものを買い車へと戻る
「ありがとうございます鳴海さん」
「…飽きないな」
「モンブランはいつ食うても飽きひんよ」
「変わらないな」
「帰ったらひとくちあげましょか??」
「いや、いい」
なんで断ったんだろ、
いつもなら、、、
「もう、今日は疲れたからボクは帰ったら寝る」
「ええー、…」
「ほんなら僕ひとりで食べよ、、」
むすっと少し拗ねる恋人
全てが愛おしいな、、
泣きそ、
ずびっと鼻をすすり泣くのを我慢する。
ねくすと70
今回ちょっと少なかった💧
コメント
6件
鳴海さんの心情は不穏気味だけど、ちょくちょく挟まれる保科さんが可愛すぎて…🤦🏻♀️💘💘💘💘 鳴海さん、過去の経歴からしてもたぶん愛情に飢えてるタイプの人間だし、だからこそ保科さんっていう愛情をくれて、愛情を与える存在が大きかったと思うので、だからこそ今鳴海さんが一緒に過ごしてみてきた"保科さん"への感情(?)とかが揺れつつあるって感じですかね…! 今回は愛の試されどき(?)ですね…!!😖😖🫶🏻🫶🏻
👏( ˘ω˘ )
鳴海さん可愛い笑