「四季ちゃん…ちょっといいかな?」
「……」
四季は他の人の視線を気にしながら、京夜先生に返事をした。
「はい…なんの用ですか?」
「四季ちゃん。もしかして、なんか辛いことされたの?」
「……」
京夜先生の質問に、四季は唇をかんだ。
「べ、別になんでもないから……」
「でも、机に落書きされてたんじゃ…? 」
四季はさっきのことを思い出し、涙が出てきそうになった。
「ねぇ、四季ちゃん。虐められてるんなら、話してほしいんだ。俺は教育実習生だけど、ちゃんと話聞くから。」
「……」
四季が口を開こうとした時、背後から話し声が聞こえた。
「ねぇ、あの子男子に媚び売ってるんでしょ?」
「あ、知ってるー!てか、教育実習生の京夜先生にチクってんの?やばくねw」
話し声に四季の体がびくりと反応した。
「わ、私、虐められたりしてませんから……」
「四季ちゃん、ほんとのこと言っていいんだよ。」
京夜先生の手が、四季の肩にそっと触れた。その手を、四季は振り払った。
「そんなことしたら…私が、もっと虐められるっ! 」
「四季ちゃん……でも…」
「教育実習生の京夜先生には、私の気持ちなんてわからないよっ!」
四季は目から涙があふれだしそうになり、その場から駆け出した。後ろから京夜先生の声が聞こえたが、四季は足を止めなかった。
(私の気持ちなんて…誰にもわからないっ!)
残された京夜先生は沈んだ表情で、四季が駆け出したあとを見つめるしかなかった。
四季は薄暗い資料室に入り込み、四季は床に座り込んでいた。ホコリだらけの小さな窓から、どんよりとした雲が見える。ゴロゴロと嫌な音が窓越しに聞こえた。すでに、1時間目が始まっている時間だったが、四季は教室に戻る気分になれなかった。
「もう、嫌だよ…誰か、お願いだからこの地獄から助けてよ……」
その時、資料室の奥で、バサリと何かが落ちる音がした。四季は音がした方向にそっと近づき、落ちた物を拾いあげた。
「なんだこれ……?」
よく見てみると、卒業アルバムであり、制服を着た生徒たちの写真がズラリと並んでいた。
「卒業アルバムか…」
四季は卒業アルバムの、ページをめくっていった。数秒後、四季の手が止まった。視線の先に、1枚の写真があった。それは、仲良くクラスメイトと話してる写真だ。
「うわ……このクラスだったら、楽しかったんだろうな… 」
そう呟いた瞬間、
ガンガラガッシャーン!
雷の落ちる音が聞こえた。それは今までに聞いたことない大きな音だった。
「ひっ……! 」
四季は耳をふさいで、目をつぶった。自分自身が雷に打たれるように、ビリビリと体が反応している。どのくらいの時間が過ぎたのか、周囲から人のざわめきが聞こえてきた。ゆっくり瞼を開くと、資料室ではなく、保健室にいた。
「え……? 」
意外にハートが多くて嬉しかったです! あと、2話以降は四季愛されになるとか言ってたのに、愛され要素ないですよね。ほんとうにすみません。では、また次回!!
コメント
2件
続きが気になります!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
うわ〜次回がめっちゃ気になる〜!