私には大好きな人が居た。
その人はセンセイ。
でも、告白を真剣に受け止めてくれた。
成人するまで待ってくれるって言ってくれた。
言ってくれたのに………
どうして…センセイは…
「…もうヤダ!!!」
私はセンセイが今でも大好きだ。
永遠に愛してる。
だから、久しぶりにセンセイに会いたいな。
でも、それをカミサマが許してくれる訳ない。
だから、私は強硬手段に出る事にした。
この手段は成功しやすい。
きっと、彼女なら…
彼女は病院の前でお辞儀をして、
家へ戻ってる最中の様だ。
…これは都合が良い。
「…君は魔女かい?」
『……そうだ』
「じゃあ、この子の事は知ってるよね?」
『?!!!!
…その子をどうやって病院から持って来たんだ』
「私の能力を使って持って来た」
『…私に何をさせようとしてるんだい?』
「私と取引して欲しい。
その内容は、君は私の直属の部下になり、
私の命令に絶対に叛かない。
簡単に言えば私だけの奴隷になる代わりに
コノ子を生き返らせよう」
『……2度とその子には
君から触れないと約束出来るか?』
「あぁ、約束しよう。」
『……じゃあ、良いだろう』
「取引成立だな…ニヤッ」
「…………あーあ。
憂鬱なのには変わりないな」
『レイ、新しいキメラの話なのだが…』
レイ「あぁ、その件は大丈夫だ。」
『…分かりました』
レイ「…人間って馬鹿馬鹿しいと思うか?」
『…一部の者だけですが思った事はあります』
レイ「やはり魔女とは気が合いそうだ」
『……………』
私は知っている。
ずっと前に聞かされた御伽話を。
どうでも良い様な口調で話すボスの
オリジナルの御伽話を。
昔、数千年前にあった地球で
4人の少年少女が仲良く暮らしていた。
年齢はバラバラで性格も様々な子達だった。
だがしかし、
あのグループで一番年齢が低い少年と少女が
ある日から行方不明になってしまった。
残された二人は悲しみに暮れ、
保健の先生に相談した。
…保健の先生は
あの4人と凄く仲良かった先生。
優しくて病気に詳しい…そんな先生だ。
だがしかし、相談したは良かったが…
大人にも二人の行方は分からないらしい。
なんと、
あのグループの一人の少女が失踪したのだ。
残された少女は先生に相談した。
すると、帰って来た言葉は、
と言う絶望の言葉だった。
『………この話のエンドは分からない』
『普通の人はそう思うだろう』
魔女『でも、私には分かる』
魔女『私にはエンドが見える。
…結末はこうだ。
先生は病気で他の皆は神になった。
それが正しいのだろう』
魔女『だが…それが分かっても、
分からない部分が多過ぎる。
なら、その日の事は隠しておこう。
私はそう思う』
……だって、そうだとしたら彼女は
本当に……
今日は私の誕生日。
…多分、そうだったはずだ。
覚えていない、って言いたく無い。
あの時の事を覚えておく為に。
魔女『レイ、君は今日が誕生日だったはず…
プレゼントだ』
レイ「ありがとう。
…魔女は私の心を楽にしてくれるな」
魔女『私はそんなつもりは…一切、ないですよ』
レイ「…そうか」
レイ「…………」
今日、私は他の部下達からも
誕生日プレゼントを貰ったが、
本当に今日が私の誕生日だったのか、
忘れてしまった。
レイ「はは…センセイにも会えないまま、
ずっと生き続けてしまっているな」
正直、今がチャンスの年。
アイツらに絶望を見せてやる。
アイツを◯してやる。
そんな願望しかない私だ。
レイ「誕生日位、忘れてしまっても問題は無い」
無いんだけどな………
あの頃は「さようなら。またね」
それだけでも嬉しかった。
ただの挨拶でも、
また会えるって安心があったから…
だが今は…どうでも良いんだ。
増悪も嫌悪も好意も興味も。
どうせ、私の元からは一生、消えない。
アイツらは私を慕ってるから。
恨んでたのは最初だけ、
今は洗脳や記憶改竄をして、
本当のアイツらを無くしたから。
魔女やライには大きな制限を。
ナツやアンラには記憶改竄を。
マリンには嘘を。
だから、誰も私の事を恨まない。
と言うよりも…どうとも思わない。
ただ、その人の為に動き続けるだけだから。
誰かに本当の感情を向けられないのだから。
…だから、
魔女から貰ったプレゼントには凄く驚いた。
拝啓、レイ様。
私は貴方様の部下ですが、
貴方の事は地球があった頃から居た事は
友達から聞いて知っています。
私にとって貴方様は尊敬は出来はしませんが
少し憧れているんですよ。
まぁ、憧れてるのは力や性格では無く、
頭の回転が早かったりする所ですが…。
実は私からしたら貴方様の力の正体、
分かってるんですよ?
なのに伝えてない事に感謝して欲しいですね。
私は貴方様の奴隷でも自我はあるので。
最後に…私は貴方様の事が嫌いです。
でも、嫌いであり上司的な意味で好きです。
もちろん、嫌いな方が上ですが。
敬具、魔女。
それは、
こんな憎悪と少しの憧れがある彼女の手紙。
レイ「ww…魔女らしいプレゼントだよな」
レイ「…まぁ、本当にありがとう」
コメント
2件
うぅん、、うーん(()) (なんとも言えない為壊れた(?))