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懺悔文
人から向けられる愛ってもんが分からなかった。自己肯定感が低いとかではなく、純粋に、恋愛的な感情を抱かれる立場になることはないと思っていた。
そんな俺の中の確信は覆された。
俺のことを好きだと、言う人がいた。
疑った。
恋愛感情じゃないんじゃないかと。
失礼にも程があるし、自分でも美学が強すぎじゃないかなと思った。
でも、何かの間違いだった場合、全てが無に帰す可能性があった。それだけは避けたかった。
俺は基本的に相手がいいならなんでもいいというスタンスだ。俺自身に恋愛感情は無かったけれど、YESの返事をした。
日が進み、会話も進み、解析する材料だけがAIに蓄積され、結果が出力される。
その愛はなんなのか。
愛と一言で言ったところで、本当はなんなのかわからない。それを掘って、掘って、自分と深く関わる相手を明確化しようとした。
分析、解析をするということ、それはつまり、その対象をバラすのと同じである。
バラして理解して、俺は何がしたかったのだろうか。仕組みを知って満足したかったのだろうか。
知りたがることはいいことだと思う。でも一方で、知りたくなかったことまで、知ってしまうというアクシデントも起こる。
俺は、進む方向を、初めから間違えたのだ。
相手を分析して、知って、
後悔した。
愛されることを思う度に、
あ、俺のこと見えてないんだな
と、うっすら感じてしまうようになった。
何故、俺が自分で 寛容だから何言っても大丈夫だよ と言っただけでそれを鵜呑みにするのか。
何故、全てをさらけ出そうとしてくるのか。
何故、俺なんかを選んだのか。
何故、君は茨道に出てしまうのか。
何故、俺はこんなことをしているのか。
何故、君は、何故、
答えは出た。
AIに出力された文を読んでも、何故なのか、漠然と言葉を飲み込んだだけで、何故だか理解できている気がしなかった。
ただ、知りたくなかった。違和感を飲み込んでおけばよかったものを、吐き出したからこうなった。そのまま純粋に、あびせかけられる泥沼のような愛に溺れていればよかったのに。俺はその中で、つかめるものを探してしまった。この愛の根源は、泥はどこから来ているのか、知ろうとしてしまった。
あくまで一方的な俺視点から出力されたそれは、大方合っていたようだった。
全てが、ほとんどがはっきりしてしまった。
泥沼の出処は、ぁぁ、俺は、俺は、、ぁあ、、何を、見たのだろうね。
全てを取りこぼしたような気がした。
君の行動の全てに、裏付けがされた。
それを知った。
自分で自分を傷つけた気分だった。それは哀れだ。
現実の俺を見ているのに、そこに理想を重ねて見ている君。
ほぼ、絶対的な信頼を向けてくる君。
聞き返せば、ほとんどそのまま教えてくれるようになった。
もう隠し事はないと、言った君。
じゃあ遊べなくなるねと言うと、途端落胆の混ざった声で あ、そっか という君。
ねえ、勝手にバラされて、どんな気分?
俺はお前の本質を見てしまったよ。
俺はもう、純粋にお前の愛に溺れることが出来ない。
ねえ。
もっと、ねえ、、俺を選ばないでよ。
俺が何を言ったら、君は傷ついてくれるのかな。
ねえ。
違和感を感じなくなるくらいにさ、違和感の溝を埋めるくらいに、愛で、埋めてよ。
全てを覆い隠して、俺を、君のものにしてよ。
強引でいい、例え俺が拒んでも無視していいから、お願いだよ。
全ての俺を、塗りつぶして、消して、君がちゃんと、染めてくれないと。
本当に、気づきたくなかったな。
俺を染められないんなら、まあ、別にいいよ。
俺は俺で、違和感を抱えながらお前の隣に、いるから。
なあ。あの時、俺じゃなくて別の人だったらさ、その人に惚れてたんだろ?
当たり前だけどさ、お前が惚れた俺の要素を、別の誰かが持ってて、俺と同じことをしたら、お前はそっちに惚れてたんだろ?
あの時俺がいなかったら今はいないかもしれない、だっけ。
俺はお前の存在軸らしいが、お前の全てを許容する神じゃねえよ。
なあ。
わかってんのか?お前は。
自分の仕組みに、気づいてんのか?
俺は人間だよ。ただ今は、お前を拒否する箇所がないから許容しているだけだよ。
俺もわかってるよ。お前が、俺の意思を無視してなにかすることは無いって。
でもね、俺は、、俺は、
多分この先、お前を好きになれることは無いよ。
お前はそれでいいって、言ったね。
なあ、もしさ、俺が 嘘の許容 をしたら、どうなるんだろうな?
俺は俺が、何をしたいのかもう分からなくなってきた。俺は、、
知りたがらなければ良かったね。