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翌週、とあるアニメのアフレコ現場。
「おはよー自由くん!」
スタジオに入った瞬間、背後から声をかけてきたのはよっちん(吉野裕行)。
その手には、なぜか謎の羽のようなフワフワしたものが……
「よし、さっそく実験だな!」
「は!?や、やめっ……それ、なに……っ」
ふわりと背中に触れる羽根。
「ひっ……んっ……!」
瞬間、入野はぴくんと肩を跳ねさせ、赤面しながら口を押さえた。
「うわ〜……ホントだった……」
「反応が、もう、アイドルのそれ……」
横で見ていた浪川と福山が真顔でうなずく。
「次、俺!」
ノリノリの木村良平が腕をまくる。
「え、どこ触ろう……やっぱ耳だよね、耳!!」
「ちょ、ほんとにやめ……っ、んあっ……!」
思わず甘い声が漏れた瞬間、スタジオが一瞬止まり、全員が絶句した。
「……これ、やばい」
「本番よりすごい声出してるって」
「マモ、天才か?」
その名が出た瞬間、背後のドアが開く。
「おっす! 今日も自由くん、元気そうだねぇ~?」
にこにこ笑顔で現れた宮野。
「こ、こいつが元凶だぁぁぁぁ!!!」
入野が崩れ落ちると、宮野はすかさず頭をなでてくる。
「……でもさ、自由がこんなふうに人気者になるなんて、俺ちょっと感動してるんだよね」
「人気じゃないから! からかわれてるだけだから!」
「でも、みんな自由の“声”に癒されてるよ? 俺も含めて」
「そ、それは……っ……もぉぉ……っ」
顔を覆ってうずくまる入野の背中に、またぽんっと誰かの手が触れる。
「自由くん、今日の演技も期待してるよ?」
江口拓也が、さらりと囁いて去っていく。
「……うわ、なんか江口さんの触り方……ずるい……っ」
「耳まで真っ赤だよ自由くん」
「スキンシップ声優って新ジャンル?」
今日もスタジオには、入野自由の甘い声と、いたずらな笑い声が響き渡っていた。