「 孤独 」
もとぱ
夜中の2時。
滉斗はふと目を覚ました。
隣に居るはずの元貴の気配がない。
「 ……もとき? 」
リビングに行くと、暗がりの中で小さく丸まる元貴の姿があった。
肩が震え 声を押し殺すように泣いている。
「 元貴……! 」
駆け寄って抱きしめた瞬間 元貴は子どものように泣き声を上げた。
「 ……ひろとぉ……やだ……こわいよ…ひとり、いや…… 」
滉斗は元貴の背中をさすりながら、耳元で何度も囁いた。
「 大丈夫、大丈夫だよ。俺が居る 元貴を1人になんてさせない。」
元貴は滉斗の胸に顔を埋め、赤ちゃんみたいに嗚咽を漏らす。
「 ……ひとりになるのが…怖いんだ…… 」
「 怖くないよ、俺が元貴の隣にいる。……泣きたいだけ 泣いていいから。 」
滉斗の手のひらが元貴の背中をゆっくりと撫でるたび、
震えが少しずつ落ち着いていった。
「 ……ひろと…ほんとに、ひとりじゃない? 」
「 絶対に。一生元貴のそばに居る。」
泣き疲れて滉斗の腕の中で小さくなった元貴を、
滉斗はベッドに連れていき、抱きしめたまま囁いた。
「 ……俺も元貴が居ないと怖いんだ。だからずっと、一緒にいよう。」
元貴は小さく頷いて、滉斗の胸にしがみついた。
「 だいすき…… 」
「 俺も大好きだよ。……今夜も 明日もこれからもずっと隣に居るから安心して 」
滉斗の心音を聞きながら、元貴はようやく眠りについた。___
#10.「 独りじゃないよ 」
孤独って体調不良じゃないですね……。すみませんm(*_ _)m
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