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短編詰め合わせ

4 - 💛💚

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2025年04月02日

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最近、すれ違いでなかなか会えてなかった。

今日は仕事終わりが早くて、筋トレもサウナも済んだので阿部の家で過ごそうと思いメッセージを送ると『嬉しい、待ってる』と返ってきた。


向かっている途中、こんな日に限って色々な電話が鳴る。

電話しながら阿部と会いたくはないので話を終わらせようとするがなかなかそうもいかず、結局家に着いた時には連絡してから実に2時間が経っていた。

電話で捕まってて遅くなった、と連絡はしておいたけど、それにしても待たせてしまった事が申し訳ない。


💛「お邪魔します」


合鍵で中に入ると、リビングのソファで待ちくたびれたのであろう阿部が寝息をたてている。

声をかけるとすぐに起き、目の前に座った俺を確認して春の陽気みたいな柔らかい笑顔を浮かべた。


💚「照だ」

💛「来たよ、遅くなってごめん」


阿部との付き合いは長いけど、こうして会ってキスするような関係になったのはつい最近だ。

それと同時に、知った事がある。


💛「今日吸った?」

💚「ううん」


阿部はストレスが極限まで溜まってくると、1日に1本だけと決めて煙草に火をつける。

俺がもともと喫煙者なのはもちろん知っているけど、現状体力が落ちると困るのをわかっているからか誘っては来ない。

でも、こういう時はたまに1本だけ付き合うようにしている。

誰かと吸っている方が、罪悪感も少ないと思うから。


阿部は伸びをすると、小さな収納から煙草とライターを取り出した。


💛「付き合うよ」

💚「いいのに」


そう言いつつ、2本取り出して1本渡してくる。

自分の煙草に火をつけ、そこからシガーキス。

2人でゆっくり煙を吐いて、混ざり合うのを眺めた。


💛「慣れた?煙草の味」

💚「正直、今でもあんまり美味しいと思わない」


でもこの1本で辛かったことがちょっと楽になる気がする、照と会えない日も傍にいてくれるみたいで、と呟く。


阿部が隠し持っているのは、俺がかつて吸っていたのと同じ銘柄。

とは言ってもこういう関係になる前から既に煙草逃げは始まっていて『辛い時にいつも俺を掬い上げてくれたのは照だったから』とこれを選んだらしい。


ベランダで誰かの目に止まってはいけないので、換気扇の下で秘密の時間。



使い捨ての灰皿に詰め込むようにして片付けると、阿部はさっさと口をゆすいで戻ってきた。


💛「今日は朝までいるから」

💚「ん、嬉しい」



ソファで寄り添っていると、阿部が俺のスウェットの中に手を入れて肌を撫でながら『だめ?』なんて聞いてくる。

熱を帯び、堪りかねたような目。


今夜は長くなりそうだと覚悟した。






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コメント

17

ユーザー

私が書くとただの同級生にしかならんのに、阿部ちゃんが書くとこの大人の恋愛感❣️これはミッチーの阿部ちゃんだからできること‼️ 好き🫶 そして、電車の中で汗ばんだシャツを背中越しに押し付けてくるリーマンに死を。

ユーザー

来たよ💛💚 阿部ちゃんめめ以外は自分から誘っててかわちい

ユーザー

💛💚だ!!お互いすごく信頼しあってるこのペアいいなー好きっ!🫶🏻

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