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昼休み。
三年生校舎最上階、生徒会室。
ガラッと扉が開く。
🍵「みこちゃん、おかえり。」
優しい声で迎えたのは、副会長のすちだった。
ふわりと笑いながら、手にしていた書類を机へ置く。
👑「ただいま、すっちー。」
みことも自然に笑顔を返した。
すると、ソファに寝転がってスマホをいじっていた少年が顔を上げる。
📢「お、みこと帰ってきた。」
いるまだ。
生徒会役員ではないが、親友ということもあり昼休みになるとよく生徒会室へ遊びに来る。
📢「二年の教室行ってきたんだろ?」
👑「うん。」
みことは椅子に腰掛けながら頷く。
👑「思った以上に注目されちゃった。」
📢「そりゃそうだろ。」
いるまは笑いながら立ち上がる。
📢「学校一ポイント持ってる生徒会長が、突然二年の教室に現れるんだもん。」
📢「しかも昨日、全財産で落札した相手のところに。」
📢「騒がれない方がおかしいって。」
👑「……そうだね。」
みことは苦笑した。
その横で、すちは三人分のお茶を用意する。
🍵「はい、どうぞ。」
👑「ありがとう、すっちー。」
🍵「いるまちゃんも。」
📢「ありがと、すち。」
三人は机を囲んで座る。
しばらく静かな時間が流れたあと、いるまが口を開いた。
📢「それでさ。」
👑「うん?」
📢「なんでこさめなんだ?」
📢「俺達一つ上でも知るくらい、今まで入札されてなかった子」
生徒会室が静かになる。
みことはカップを見つめたまま、小さく息をついた。
👑「まだ……話してない。」
🍵「こさめちゃんにも?」
すちが首をかしげる。
👑「うん。」
みことは頷いた。
📢「すち‥会ったこともないのにちゃん付け‥」
🍵「いるまちゃん?」
📢「なんでもないです」
👑「今日の放課後に話そうと思ってる。」
🍵「へ〜。」
いるまは腕を組む。
📢「じゃあ俺たちにもまだ秘密ってことか。」
👑「ごめん。」
👑「先に本人へ伝えたいんだ。」
すちは優しく微笑んだ。
🍵「それなら仕方ないね。」
🍵「こさめちゃんが一番先に知るべきことだもん。」
👑「ありがとう。」
みことは少し安心したように笑う。
しかし、いるまは納得していない様子だった。
📢「でもさぁ。」
📢「二億以上あったポイント全部だぞ?」
📢「普通そんな使い方しないって。」
📢「俺なんか昨日、デート券でポイント使うの迷ったのに。」
🍵「それはいるまちゃんがケチなだけじゃない?」
すちがくすっと笑う。
📢「違う違う。」
いるまは慌てて首を振る。
📢「節約家!」
📢「なつにも『たまには使いなよ』って言われるけど。」
そう言って苦笑する。
そう、なつ――二年生のなつは、いるまの恋人だ。
学年は違うものの、二人は付き合って半年ほど経っている。
📢「この前も水族館デート券を落札しようとしてさ。」
📢「結局『高い!』ってやめたら、なつに笑われた。」
📢「『そんなところも好きだけど』って。」
いるまは照れくさそうに笑った。
🍵「仲良しだね。」
すちが微笑む。
📢「‥まぁな。」
いるまは少し照れながら頭をかく。
📢「だから余計に思うんだよ。」
📢「好きな相手でも、全部は賭けられない。」
📢「なのに、みことは全部だろ?」
📢「やっぱり普通じゃない。」
その言葉に、みことは少しだけ窓の外へ目を向けた。
👑「……普通じゃないのは分かってる。」
👑「でも、後悔はしてない。」
👑「ポイントなんて、また貯めればいいから。」
👑「それより大事だった。」
静かな声だった。
いるまも、すちも真剣な表情になる。
👑「こさめちゃんを守りたかった。」
その一言だけが、生徒会室に響いた。
📢「守るって……。」
いるまが呟く。
📢「何から?」
みことは少しだけ目を伏せる。
👑「それも今日話す。」
👑「こさめちゃんに。」
👑「先に本人へ伝えたい。」
📢「……そうか。」
いるまはそれ以上聞かなかった。
みことの表情を見れば、本気なのは分かる。
すちも優しく頷いた。
🍵「応援してるよ、みこちゃん。」
🍵「ちゃんと伝わるといいね。」
👑「うん。」
みことは柔らかく笑った。
その時、昼休み終了のチャイムが校舎中に響く。
キーンコーンカーンコーン――。
👑「じゃあ、午後も頑張ろう。」
みことが立ち上がる。
🍵「うん!」
すちも書類を抱えながら立ち上がった。
📢「俺もなつに会いに……じゃなくて教室戻るわ。」
いるまが慌てて言い直すと、
🍵「今、『なつに会いに』って言ったよね?」
すちがにこにこと笑う。
📢「言ってないわ!」
👑「言ってたよ。」
みことまで笑い始める。
📢「おい、みことまで!」
📢「はいはい、分かったよ!」
少し照れたいるまの声と、三人の笑い声が生徒会室に響いた。
その穏やかな空気の中で、みことだけは胸の内に決意を抱いていた。
放課後。
こさめへ、すべてを話すために。
コメント
1件
ただいま、読み終えました……🌙 生徒会室の空気感、すごく好きです。すちの優しさといるまのツッコミ、その間で静かに決意を抱えるみこと——3人の関係性が自然で、ほんわかするけど、どこか切ない。 みことが「守りたかった」って言ったあの一言、重かったです。ポイント全部使うって普通じゃないけど、それ以上に大事なものを感じてるんだろうな。こさめちゃんに話す“すべて”って何なんだろう……すごく気になります。 放課後が怖いような、でも知りたいような。続き、ちゃんと受け止めますね🥀
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翠玲
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