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放課後の帰り道
体育祭が終わった校庭は、すっかり夕方の空気に包まれていた。
片付けを終えた生徒たちが次々と帰っていく中、チー牛君とボクっ娘は並んで歩いていた。
ボクっ娘「ねぇ、チー牛君」
チー牛君「……なんだ」
ボクっ娘「今日はほんと頑張ったじゃん。しゃーなしでも、めっちゃカッコよかったよ」
チー牛君「……うるさい。もう言うな」
顔を赤くしたチー牛君は、視線をそらす。
けれど、その耳まで真っ赤になっているのを、ボクっ娘は見逃さなかった。
ボクっ娘「ふふーん。図星だね」
夕焼けに染まる道を歩きながら、二人の影は寄り添うように伸びていた。
ファミレスでの打ち上げ
近所のファミレスに入ると、二人は隅のテーブルに座った。
ボクっ娘はメニューを開いて、目を輝かせている。
ボクっ娘「ねぇねぇ、チー牛君。今日はボクが奢るよ。応援のお礼ってことで!」
チー牛君「……いや、応援してたのはお前だろ。俺が出す」
ボクっ娘「チー牛君のお財布が泣いちゃうでしょ?ボクが払うから大丈夫」
軽いやり取りをしながら、二人はそれぞれ好きなものを頼んだ。
運ばれてきたハンバーグやパスタを前に、ボクっ娘は目を輝かせて手を合わせる。
ボクっ娘「いただきまーす!」
チー牛君「……いただきます」
ガツガツと食べる彼女の姿を見て、チー牛君は自然と笑ってしまう。
チー牛君(心の中)「……こいつ、ほんと元気だよな」
体育祭の振り返り
食事の合間、ボクっ娘がストローをくわえながら話しかけてきた。
ボクっ娘「ねぇ、走ってるときさ、ボクの声届いてた?」
チー牛君「……ああ、うるさいくらいにな」
ボクっ娘「えへへ、それならよかった。ボクね、チー牛君のために全力で応援してたんだよ」
チー牛君「……知ってる」
短い返事だったが、チー牛君の声はどこか優しかった。
それを感じ取ったボクっ娘は、にやりと笑う。
ボクっ娘「チー牛君、照れてる照れてる」
チー牛君「……うるさい」
そのやり取りに、二人だけの温かな空気が流れた。
帰り道、そして小さな約束
店を出ると、夜風が心地よく吹いていた。
街灯に照らされながら歩く二人は、自然と肩が近づいていた。
ボクっ娘「ねぇ、来年もチー牛君、体育祭頑張る?」
チー牛君「……またお前がチアやるなら、しゃーなしでな」
ボクっ娘「約束だよ!」
彼女が小指を差し出す。
チー牛君は一瞬ためらったが、結局その指に自分の小指を絡めた。
チー牛君「……しゃーなしだ」
ボクっ娘「うん、それでいいの!」
笑顔の彼女を見て、チー牛君は心の中で小さく呟く。
チー牛君(心の中)「……本当は、しゃーなしじゃなくても頑張れるのかもな」
二人の影は重なり合い、夜の道に溶けていった。
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