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ーー千冬「自分…自身……」
目が覚めると俺は手術室にいた。
目の前で俺が心臓マッサージをされている。
医者の顔は全員真剣な顔だった。
なんで俺は自分の姿を見れているのか、それはもう俺が死んでいるから?
それとも、生き霊なのか?
霊体分裂みたいなものだろうか?
でも、今俺は、自身の体の外にいることは分かる。
壁に手を向けると壁がうっすら透けていた。
ーー千冬「……透けてる、」
「どこも痛みを感じない。」
「死んだみたいだ。」
手術室から壁をすり抜けて出ると母ちゃんが顔を伏せて父の遺影を持って泣いていた。
その隣には母の肩を優しく持ち優しい眼差しで彼女を見ている父の姿が見えた。
いつぶりだろうか。父の姿を見るのは。
ーー千冬「父ちゃん……」
そう口にすると彼はこちらを向いた。
父は怒るような顔はしなかった。ただ、優しい眼差しで、優しい顔で、俺を迎えた。
ーー父「千冬。母さんを、悲しませちゃダメだぞ。」
ーー千冬「ごめんなさい。」
ーー父「よく頑張ったな。」
彼の言葉はいつも優しくて、心を揺すった。
ーー千冬「父ちゃん、、母ちゃんは、」
ーー父「…もうすぐ、友達が来るよ。」
「もう、1人は来てるんだけどね、」
「その子の方、いってごらん、」
「お前は愛されてるよ。」
父の奥の椅子に座っている人に目を向けた。
もう誰かなんてすぐわかった。
黒いロン毛に俯いて黙って涙を流した人。
俺が信じている人。
ーー千冬「場地さん、」
「……ごめん、千冬、、泣」「ごめんね、千冬、泣」
泣きながらそう訴える2人の姿は生きている時よりもずっと痛かった。
ーー千冬「ごめんなさい、泣」
ーー父「じゃぁ、父ちゃんは、お前のこと見守ってるな。」
すると彼は手術室に入っていった。
しばらくしてみんな揃った。
みんな酷い顔をしていた。
俺がこうなるとみんなこんな顔になるんだ。
ーー千冬「………泣」
俺もみんなの傍で泣いた。一人一人に触れてみるも、誰も触れなかった。
触れない。会話ができない。見えない。
これがどれほど辛いものか、これをずっと体験してきた父親、亡くなった人、
どれほど偉大なのか。
俺の死が確定された。
葬儀の後日、
一人一人の言葉が俺をさらに苦しめた。
俺の墓場をみんな訪れた。
ーー場地
「助けてやれなくてごめん、泣」
「仲間も守ることも出来なかった、泣」
「千冬ぅ、、痛めつけたりして、ごめんな、泣」
「抗争の時、俺を信じとうしてくれてたこと、」
「嬉しかった、泣」
「こんなに愛されてんのに、、泣」
ーーマイキー
「今、、お前は、寝てるように見える。」
「ほんとは、起きてるじゃねぇかって、」
「馬鹿だよな、」
「兄貴が死んだ時もそうだった、」
「眠ってて欲しかった、死んで欲しくなかった、」
「ごめんな、」
ーードラケン
「辛かったよな、あの時、イラついたよな、」
「ひでぇこと言って、ごめんな、」
「必死に、お前を救おうとみんなで頑張って、」
「夜通し頑張ってたんだ、」
「苦しめてたのは俺たちの方なのに、」
「もっと苦しめて、ごめんな、」
ーー三ツ谷
「あの時、許してくれて、ありがとう。」
「優しく、撫でてくれた時、本当に、辛かったよ、泣」
「いちばん辛いのはお前なのに、泣」
「わかってやれなかった、泣」
「千冬が許したとしても、」
ーー千冬母
「なんにも気づかずに、放ったらかしにしてごめんね、泣」
「辛かったよね、許せないよね、泣」
「おかえりって、待ってくれる人が殆どいなくて、泣」
「怪我だらけで、休日も部屋にひきこもってるあなたを、泣」
「声もかけずに、、泣」
「ごめんなさい、、泣」
「ねぇ、千冬、、どうしよう、、泣」
「これね、渡そうと思ってたのよ、?泣」
彼女が握りしめていたのは、小さな箱に入った、飛行機のプラモデルのものだった。
ーー千冬「、!!」
ーー千冬母
「前から、欲しいって、言ったもんね、?泣」
「いつも、辛い思いさせてごめんね、泣」
「って、サプライズで渡そうと思ってたの、泣」
「こんな日に、渡すことになって、ごめんね、」
「貴方がね、生まれてきてくれた時、」
最後はたけみっちのようだ、
なんて言うんだろう、?
コメント
10件
やばい涙出てきたんだけど笑
母ちゃん千冬は辛かったかもだけど、 千冬がずっと幸せだったって事、忘れんなよ!