テラーノベル
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「ねぇ、りょうちゃんもっと側にきて」
「こんなにそばにもういるよ」
少し笑われた、それでもその声はどこまでも優しい。
そして強くなった抱きしめてくれる力が嘘をついてないと教えてくれる。
「もっともっと···不安で仕方ないんだ、誰かにりょうちゃんが取られないか」
「どこの誰が僕なんかを?」
「どこの誰でもいやだ・・・だからりょうちゃん。俺のものになって」
「・・・は?え・・・?」
今度は俺がりょうちゃんを抱きしめる力を強くした。
戸惑うりょうちゃんは何も言えないようでされるがままになっている。
そりゃ戸惑うか。
俺のものになって、なんて告白みたいなセリフ。
まぁ、告白のつもりだったんだけど。
その時、タイミング良く若井が帰って来て、俺はそっとりょうちゃんを解放した。
「お待たせ!みかんとー、プリンとー、アイスでしょ、パンも買ってきた!」
「ありがとう···ちょっと、食べようかな」
「良かった!元貴が食べてくれないと泣いちゃうよ、ほらりょうちゃんもプリンあるよ」
「うん···ありがとう、たくさん買ったね···」
アイスを冷凍庫に入れる若井がひたすらに明るくて嬉しかった。
りょうちゃんと若井だけが居てくれたらそれでいい。
俺は少しだけ明るい気持ちになった。
2人とも俺とだけいればいい。
俺だけを必要とする世界であればいい。
俺は2人だけを必要としているから。
「りょうちゃん、プリンひとくちちょうだい」
「元貴の分もあるよ?」
「ううん、ひとくちでいい」
口を開けるとりょうちゃんがしかたないなぁって顔して口にプリンを運んでくれた。
「まったく甘えちゃって。···まぁ、元貴が食べてくれるならなんでもいいや」
若井はなんだか嬉しそうだし、りょうちゃんは優しいし。
俺も幸せだった。
ずっとこのまま幸せでいられると思っていた。
コメント
12件
ずっと幸せでいて欲しかったですが 波乱の予感が⋯ 楽しみです✨

なんだか不穏な言葉... 続きが気になりすぎるー!
思ってた!?この後どうなっちゃうのー