けちゃside
僕は快楽に身を任せて、目をつぶった
と、その時だった
?『なぁ、それ俺のなんだけど?』
男『…あ゛?』
近くで知ってる人の声がした
この声は…
け『まぜ、ち…?』
男『チッ、いい所だったのに誰だよ』
ま『まぁまぁ、誰でもいいじゃん?笑』
『それと、その汚ぇ手早くどかしてくれない?』
まぜちは今までに見たことの無いオーラを出して、男に威嚇している
ま『聞こえなかった?あ、もしかして死にたい?笑』
『まぁ、そいつに触った罪は重いからなぁ』
ヘラヘラと笑いながらゆっくり近づいてくる
そのオーラに男も圧倒され言葉が出ていない
男『っ、ヒッ…』
ま『俺、優しいからさぁ、今なら許してやるよ笑…わかったなら早くどけや、本当に殺すぞ?』
本当に殺されると思ったのから男は僕の上からどき、早足で逃げていった
それを見たあと、まぜちは急いで僕のところに来て抱きしめてくれた
ま『けちゃ、大丈夫か?』
あの男に触られたところが気持ち悪くて怖くて、でもまぜちが来てくれたことに安心して一気に力が抜けて涙がポロポロと零れた
け『ま、ぜち…っ、怖かったぁ…!!』
ま『ごめんな、俺のせいであんな怖い思いをさせて…』
け『…んん゛、グスッ』
まぜちは黙って僕の事を抱きしめ、僕も思いっきり抱きしめる
ま『…帰ろっか』
け『…ん、グスッ』
立てない僕をまぜちが優しく抱き上げてくれて、誰にも気づかれないように急いで2人の家に帰った
まぜたside
怖かった
俺のせいでけちゃが襲われそうになったこと
俺のせいでけちゃが傷ついたこと
俺は本当に最低なヤツだ
家に着き、けちゃをソファーに下ろす
涙で目が真っ赤になっているけちゃをみると胸が痛くなった
ま『…落ち着いた?』
け『ん…』
お互い沈黙が続く
少ししてけちゃが口をひらいた
け『…ね、まぜち』
『まぜちは、さ…僕のこと好き?僕ね、正直まぜちの気持ち、わからないんだ…笑』
悲しそうに笑うけちゃをみて、何も言えなくなる
け『…まぜち、僕がいつまでも待ってるなんて思わないで欲しいの…まぜちにとっては僕はもういらない…?』
今にも泣きそうな顔
あぁ、俺は今までこいつにこんな思いをさせてしまっていた
け『…まぜち…?なんで泣いてるの…?』
ま『…え』
けちゃの言葉に、自分の頬に触ると涙が溢れていた
け『っ、やめてよ…僕、期待…しちゃうよ…?笑』
ま『っ、ごめん…おれ、おれ、お前に最低なことしちゃった、』
ピンチにならないと気づけない
相手がいなくならないと分からない
こんな馬鹿な俺をもう一度許してくれるだろうか?
けちゃside
ま『っ、ごめん…』
まぜち、泣かないで
僕、そんな顔は見たくないの
でも、最後に一つだけ試してもいいかなぁ
け『ね、まぜち』
『もしね、まだ僕のことが好きならさ…言葉で教えて…?』
これでもし、ダメだったらなんて考えたくない
僕はもうまぜちがいなきゃ、生きていけない
ま『…けちゃ』
まぜちの手が僕の頬に撫でる
ま『ごめん、』
け『っ…』
うん、覚悟はしてたよ
してたけど、胸が痛くて苦しくてまた泣きそうになる
やっぱりもう無理なんだね
グッと涙を我慢してまぜちの次の言葉を待つ
でも、次に出てきた言葉は僕の予想と違っていた
ま『…俺はまだお前を手放せない』
け『へ…』
ま『俺さ、けちゃが優しいから大丈夫だと思ってた。けちゃが傷ついてるなんて知らずに勝手に嫉妬して怒ってお前に最低なことをした』
『許してなんて言わない…でも、これだけ受け取ってくれる?』
まぜちがズボンのポケットから小さい箱を取り出す
ま『今まで冷たくしてごめん、けちゃがまだ俺を好きでいてくれるなら受け取ってほしい』
け『っ、これ…』
箱から出てきたのは小さいダイヤの指輪だった
け『っ…ぼく、まだここにいていいの…?』
ま『当たり前』
け『ぼく、まぜちが冷たくなって寂しかったんだよ…?』
ま『うん』
け『嫌われたかとおもっ、て…グスッ』
ま『これからは絶対寂しい思いをさせないって約束する』
け『っ、ばかまぜちぃ…!!』
思いっきりまぜちの胸に飛び込む
それを優しくまぜちは受け止めてくれて強く抱きしめてくれた
寂しかった、冷たくて悲しかった
まぜちが僕に飽きたんじゃないかって
他に好きな人が出来たんじゃないかって
男同士なんてって思ったりもした
け『次、こんなことしたら別れてやる、から…グスッ』
ま『絶対しないって誓うよ』
こんなことで許しちゃう僕はやっぱり単純でばかなのかもしれない
でも…
ま『けちゃ、愛してるよ』
け『僕も、僕も愛してる』
もう一度だけ、彼を信じてみようと思う
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