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第8話「第二次・潔争奪戦」
翌朝。
食堂。
潔はいつも通り、何も知らずに朝食を取りに来ていた。
「おはよー」
その瞬間。
「潔!」
蜂楽が真っ先に手を振る。
「こっちこっち!」
潔「お、おう」
そこへ――
凪「潔、こっちのほうが空いてる」
玲王「いや、こっちだろ」
凛「……潔」わ
千切「お前ら朝から何やってんだよ」
そして。
カイザー「…………」
潔「…………」
潔は全員を見る。
「お前ら……」
全員「?」
「昨日から、なんか変じゃない?」
沈黙。
蜂楽「そう?」
潔「そうだよ!」
凪「別に」
玲王「気のせいだろ」
凛「……うるさい」
千切「まあ……気にするな」
カイザー「フッ」
潔「絶対なんか企んでるだろ!!」
蜂楽の場合
練習前。
「潔〜!」
蜂楽が潔の後ろから抱きついてくる。
「うわっ!」
「今日は俺と一緒にアップしよ!」
「いいけど……」
「約束ね!」
蜂楽は満面の笑み。
潔「……蜂楽って、こんなに俺と一緒にいたがってたっけ?」
蜂楽「うん」
「前から?」
「前から」
「…………」
蜂楽が笑う。
「でも今は、もっと一緒にいたい」
潔「……」
昨日の告白が頭をよぎる。
『潔じゃなきゃヤダ』
潔「…………」
蜂楽「顔赤いよ?」
「うるさい!」
蜂楽「へへっ」
凪の場合
休憩中。
潔がベンチに座る。
すると――
ドサッ。
凪が隣に座った。
「……近くない?」
「そう?」
「肩、当たってる」
「いいじゃん」
「よくないだろ」
凪は潔を見る。
「俺、潔といるの好きだから」
潔「…………」
「だから近くにいる」
「……お前、昨日からそれ普通に言うようになったよな」
「だって告白したし」
「そうだけど……!」
潔は顔を覆う。
凪「潔、照れてる」
「見るな!」
「かわいい」
「凪!!」
玲王の場合
昼休み。
潔が食堂へ行くと、玲王が先に席を取っていた。
「潔」
「ん?」
「これ」
机の上には、潔が好きなメニュー。
「……また?」
「何が?」
「最近、俺の好きなものばっかり用意してない?」
玲王「……嫌か?」
「いや、嬉しいけど」
「じゃあいいだろ」
潔「……」
玲王は笑う。
「俺は潔のこと、もっと知りたいんだよ」
潔「…………」
また胸が鳴る。
潔「……玲王」
「ん?」
「そういうの、反則じゃないか?」
「何が?」
「……何でもない」
玲王「ふっ」
千切の場合
午後。
潔が練習を終える。
汗を拭いていると、千切がタオルを差し出した。
「潔」
「ん?」
「これ使え」
「ありがとう」
「……別に」
潔がタオルを受け取る。
すると千切が少しだけ笑う。
「ちゃんと俺のことも見てろよ」
「……え?」
「昨日言っただろ」
「…………」
潔の顔が赤くなる。
千切「ほら。また赤くなった」
潔「お前ら最近、俺をからかいすぎだろ!」
「からかってない」
千切は優しく笑う。
「本気だから」
潔「…………」
完全に何も言えなくなった。
凛の場合
練習終了後。
潔がロッカーへ向かう。
「潔」
「凛?」
「帰るぞ」
「え、一緒に?」
「嫌か」
「いや、そうじゃないけど」
凛「なら来い」
二人で歩く。
しばらく無言。
潔「……凛」
「何だ」
「お前ってさ」
「……」
「告白してから、前より俺に話しかけてこない?」
凛「…………」
「気のせい?」
凛は立ち止まる。
潔も止まる。
「……お前が気づいたからだ」
「え?」
「今までは、お前が何も気づいてなかった」
凛は潔を見る。
「でも今は違う」
「…………」
「だから、俺も遠慮しない」
潔「……っ」
凛「覚えとけ」
そう言って歩き出す。
潔はその場に取り残された。
「……遠慮しないって……何する気だよ……」
カイザーの場合
そして最後。
カイザーは――
誰よりも大胆だった。
練習後。
潔が水を飲んでいると、突然声をかけられる。
「潔」
「……何?」
「来い」
「またかよ」
「嫌か?」
潔「…………」
「……嫌じゃない」
カイザーが満足そうに笑う。
二人きりになる。
カイザー「お前は今、自分の気持ちを考えているんだろう?」
「……うん」
「なら、一つ教えてやる」
「何?」
カイザーが潔の目を見る。
「俺は、お前に選ばれるために他の奴らと競うつもりはない」
潔「……え?」
「俺は俺のやり方で、お前を振り向かせる」
「…………」
「だから覚悟しておけ」
カイザーは笑う。
「俺は、絶対に諦めない」
潔「…………」
カイザーが去ったあと。
潔は一人で立ち尽くす。
「…………」
胸がうるさい。
六人それぞれの言葉が頭の中を巡る。
凛。
蜂楽。
凪。
玲王。
千切。
カイザー。
潔「…………俺……」
そして。
その日の夜。
潔は紙を一枚取り出した。
「……ちゃんと考えよう」
紙の上に六人の名前を書く。
そして、その下に――
「一緒にいて安心する人」
「一緒にいて楽しい人」
「一番ドキドキする人」
「自分が会いたくなる人」
潔「…………」
ペンを握る。
「これなら……自分の気持ちが分かるかもしれない」
しかし。
一つ目の質問を書いた瞬間。
潔は固まった。
「一緒にいて安心する人」
潔「…………」
その答えは――
一人ではなかった。
「……え?」
潔は目を見開く。
「なんで……?」
六人の名前を見つめる。
その瞬間。
潔は初めて気づいた。
自分が悩んでいるのは、
「誰が好きか」だけじゃない。
「みんなのことを、それぞれ違う形で大切に思っている」
ということだった。
潔「…………」
「……俺、どうすればいいんだよ」
そして翌朝。
潔が食堂へ向かうと――
六人全員が、潔の様子を見た瞬間に察した。
「何か考えたな」
潔「…………」
六人「…………」
潔「……あのさ」
全員「うん」
潔「俺――」
その先の言葉を、
潔自身もまだ決められていなかった。
コメント
4件
ごめんなさい 皆さん、あの下の斜線見たいな線見えにくいですよね! すいません
ああ〜もう、この回ズルいわ!潔が六人それぞれに振り回されてるのが可愛すぎるんだけど!蜂楽の後ろ抱きつき、凪の「一緒にいるの好き」ポンポン連発、玲王の好物リサーチ、千切の「本気だから」、凛の「遠慮しない」宣言、カイザーの「競うつもりはない」…全員タイプ違う攻めで最高だわ。潔が紙に書いて「一緒にいて安心する人」が一人に絞れなくて戸惑うシーン、めっちゃ共感した。このモヤモヤした感じ、続き気になるわ!
そ 。
154
あっぷるぱい
28
ゆゆ(ちょっと復活
414
#吸血鬼パロ