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月城 蓮桜音
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耀聖(ようせい)
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耀聖(ようせい)
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「あ! さっきのお姉さん」
キーヒが、こちらに気がつく。ミュカはまだ警戒を解いていないのだろう。キーヒを背中に隠そうと躍起だ。
「君達は、今日からこの子達のお世話がかり(見習い)だよ。よろしくね! ミュカ、キーヒ」
「はっ?!」「えっ?!」
「この子達に気に入られるようにがんばってね!」
そうか、そういうことだったんだ。
ストンと納得がいった。アリスは救う(拾う)ことへの責任を知っているからこそ、あぁ、いったんだ。
「なんだよ、それ……」
「にーちゃん」
キーヒが袖を引っ張る。
「ちゃんとできるなら、リサちゃんのご加護でボク達がしっかり君達の面倒みるから。どうかな?」
二人は呆気にとられている。
少しして、キーヒが恐る恐る聞いてきた。
「あの、お姉さんはいったい何者なんですか?」
「ん、私?」
私が自分を指差すと、キーヒがふるふると首をふり、おそるおそるアリスを指差す。
「ボク? ボクはこの国の第2王子だよ?」
!?
二人はよりいっそう混乱していた。
「ご、ごめんなさい!!」
キーヒがあわてて謝ると、ふにゃりと、いつもの笑顔でアリスが笑う。
「気にしないでいいよ。リサちゃんも最初ボクのこと間違ってたもんね!」
あぅ、イタイところを。
ついっと、目をそらす私を見てクスッと笑うアリス。
「それで、どうする? やる、やらない?」
二人は考えている。とても考えている。
難しい問題よね。ちゃんと考えてから返事しないと。
「……お願いします」
ミュカが決断した。キーヒも一緒に頭をさげる。はーい、とアリスが軽い返事を返して近くに控えていた侍女さんに何かを伝えていた。
「ここのことはあのリウナが教えてくれるから。しっかりやってね。ボクも見に来るから」
ペコリと侍女さんがお辞儀する。二人もペコリとお辞儀しかえしていた。その時、
ぐぅぅ
誰かのいい腹の虫の音が聞こえてきた。
顔を赤くしたミュカがお腹を押さえている。
笑っちゃダメだと思ったけど、なぜだかとめられなくてみんなで笑ってしまった。真っ赤になったミュカがさらに真っ赤になって拗ねてしまったので、なだめるのが大変だった。
ーーー
「これで、よかったかな?」
私達二人だけになってから、アリスが確かめてきた。コクリと肯定のために頷いた。
「うん、ありがとう。あと、迷惑をかけてごめんなさい」
「いいよ。ボクになら迷惑いっぱいかけてくれて。厄介事だろうと何だろうとリサちゃんのこと守ってあげるから!」
「えー、いっぱい迷惑はかけたくないなぁ。厄介事にも巻き込まれたくないし……」
うーん、と唸る私に、優しく頭を撫でてくれるアリスの手はとても気持ちよかった。
コメント
1件
ああ、このお話、すごく好きです……! アリスが「第2王子」って名乗った瞬間のミュカとキーヒの混乱、思わずクスッとしちゃいました。それでいて「救う責任」をちゃんと背負って、二人に役割を託すアリスの優しさがじんわり沁みますね。最後の「いっぱい迷惑かけて」に対して「守ってあげる」って言い切るアリスと、照れつつも頭を撫でられて気持ちよさそうなリサちゃんの距離感が、もう本当に愛おしいです……!