戦争をしていた
沢山の戦争をして
勝ったり負けたりした
兄弟がいた
空と陸っていう
可愛い俺の弟
戦争が始まる前はとても仲が良かった
戦争が始まると喧嘩ばっかりしだして
仲の良い兄弟とはかけ離れていた
戦争が激化していく中で
末っ子である空が死んだ
唯一仲の良かった弟…兄弟が死んだ
下半身と片腕が無くなって、皮膚が焼けただれている状態で、そんな状態でも俺らが来るまで息はあった、でも、俺が来るとパッと死んで行った
陸は、空が居なくなったことで変なことを言い出すようになっていった
空が楽しそうに走っている
空が楽しそうに話しかけてくれている
空が一緒に逝こうと言ってくれる
空の元気が無くなっている
空の食べる量が減った
空の睡眠時間がどんどん長くなっている
空が起きなくなった
空が手も握ってくれなくなった
空が目を閉じたままになった
空が居なくなった
空が片腕のない状態で寝ていた
空がまた居なくなった
空の足首から下が無くなっていた
空がまた居なくなった
空の膝から下が無くなっていた
空が居なくなった
空の腰から下が無くなっていた
空が一緒に逝こうと、小さな声で言った
空が死んでいた
俺には見えない
だけど陸には見えている
独り言を聞いただけだけど
陸はそんな自分の愛しい弟が死んでいくのをずっと見ていた
何も出来ずに
一緒に行くことも出来ずに
声をかけても返ってくる言葉も聞けずに
幻覚でも空が死ぬと
陸は戦闘狂のようになって狂って行った
陸は自分で空を殺した犯人を突き止めた
アメリカ軍
戦場でアメリカ軍を見ると指示も聞かずに突っ走っていき
見るも無惨な姿になるまで日本刀で刺し殺した
陸は私の事を忌み嫌った
多分だが空が死んだのが私が来た時だからと思う
時には暴力まで振るってきた
『空じゃなくてお前が死ねばよかったのに』と
私は陸が暴力を振るっても
何も言わずに受け止めた
こんなことになるなら私が死んでしまえばよかったのになんて、何度も考えた
暴力振るう時陸は泣く
暴力を振るうのを辞めるのは
泣き疲れた時
その時だけ
戦争前に戻った気持ちになった
私は死のうと思う
陸が泣き疲れた後のサプライズとして、
そういえば遺書を書かないとと思い出した
何を書こうか迷っていたら陸が起きてしまう
一言だけ書くことにした
横には可愛らしい表情で陸がすやすやと寝ている
喜んで貰えるなら
初めからこうしておくべきだったと思う
私は昔に陸がくれた刀を手に持ち
陸の頭を撫でてから
手に力を込めた
今までに見た事のない素晴らしい景色だった
殺られる側はこんな気持ちで死ねるのだろうか
初めからこうしておけば本当に良かったのに
よかった
りくはおきなかった
くちにぬのをつめておいてよかった
ばいばい
りく
コメント
1件
陸…そんなの正しくないよ…