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ある日、仕事が終わって帰り支度をしていると、声をかけられた。
「にの、ちょっと飲みに行かない?
そう誘ってくるのは別部署の先輩、相葉さん。神田さんや吉永さんとかと同じ時期に入っていた同期なんだと。相葉さんとは二人を通して知り合った。
「あー…酒?…
一度腕時計を見る。現在の時刻は7時。門限までは未だ時間があるのが分かる。
まだ三時間はあるし、いいか…
「はい、行きましょう。
「お、やった。じゃ、このあと──集合で。
「はい。それでは。
「またね~
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家に着く。鍵を開けて中に入る。勿論潤くんはまだ帰ってきてはいない。
て言うか帰ってくるのは大体日が過ぎる前とか。
だから部屋はシンとしていて、帰ってくるときはいつもなにか寂しい。
それはそうと、仕事の荷物を置いて、ケータイだけ持つ。財布は持たない。絶対奢られる派だから。
潤くんに〖飲み会いってくる〗とメールを送れば、電源を切って飲み屋に行く。
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「失礼しま~す…あ、もう来てたんですね。
俺が入ると相葉さんと他にいろんな人が来ていた。
「遅いよにの~、ほら、ここおいで。
そう相葉さんが自分の隣をトントンと叩く。
それに従うように俺は相葉さんの隣に座る。
「にのは何飲む?
「あービール。
「おっけ、
そう言うと相葉さんは生ビールを注文する。
「それで、にのは~、今年で何年目?
「あ~…まぁ、六年目、ですかね。
「六年目かぁ~早いねぇ~
「相葉さんは?
「俺?あ~、十、かなぁ。
「へぇ、結構やってるんですね。
「まぁな~、にのの四年は上かな?(笑)
「確かに、結構先輩(笑)
そんなことを話していると、さっき注文していたビールが届く
「ん、来たね、ほら、かんぱい。
「あ、はい。乾杯。
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それからしばらく相葉さんたちと飲んでいた。
、酒は久しぶりに飲んだからだろうか、酔いが結構回りやすくなっていた。
「あれ、にのどうしたのぉ、顔真っ赤、
「へ、…ぁぁ…ちょっと、酔って…
「あぁ、なるほど~?…(笑)ふふ、かわいいねぇ~。
相葉さんもすでに酔っているのか、ふわふわしている。
酒飲んだらこんな風になるんだ、なんて思ってた。
「それじゃあ、俺はこれで。明日朝早いんで!
そう言って一人、また一人と帰っていく。
「一気に、帰っちゃいましたね…(笑)
「う~ん、おれらも帰るぅ?
「ぁ~まぁ、はい。
大体の人が帰ってしまったので、自分らも帰ることにした。
相葉さんが残った人たちに「じゃね~」と言って、飲み屋を出る。
「じゃぁ私、こっちなんで。
そう言って帰ろうとした俺の手首を相葉さんが掴む。
「もう一件、行こうよ。
「え?でも、時間が…
もうそろそろ門限の時間だから帰らないといけないんだよな…
「いいじゃん、ほら、
「え、っちょ、相葉さん?
さっきの雰囲気とはまったく違う相葉さんに驚いている暇もなしに、相葉さんはずっと俺の手を引く。
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「ほら、ここ、俺の行きつけの店。
そう言って相葉さんは、お洒落なバーを指し示す。
少し大人な雰囲気のお店。腕時計で時間を確認する。
…もう九時半を回っている。
帰る時間も会わせるともうそろそろ帰り始めなければいけない…
「あの…相葉さん、
「うん?
「俺…帰らないと…
今日は潤くんも早くに帰るって話だったし…
「ちょっとくらいいいじゃん?別に減るものじゃないでしょ?
「ぃゃ…でも、帰らなくちゃ、
「櫻井くんとか大野くんもいるよ?
何とかして店に入らせようとしてくる。
…数分なら別にいいか。
「少し、だけなら…?
「ありがと~!少しだけね?分かった。
そう言って店内に入って行く。
「ちぃ~っす、
「んあれ、相葉くん!…あ、にのも~!
店の中には本当に二人がいた。
「あ、本当にいるんですね…
「言ったでしょ?居るって、何飲む?
相葉さんはカウンター煮すぐ座る。翔さんの隣に。
「今日一回飲み会に行ったんだよね~ほら、にのもこっち。
また相葉さんは自分の隣に来るように示す。
すると酔いつぶれた大野さんが顔をあげてこっちを見つめる。
「…!にの~、珍しいねぇ。あとさ~、聞いてよ~も~…
なんだか大野さんがどっぷり疲れてそうだから、相葉さんに一言声をかけて大野さんの隣に座る。
「どうしたんすか、そんな落ち込んで。
「ぅぅ~…今日さぁ、久しぶりに親に会ったらさ~?
「はい、
「ま~た結婚しろってガミガミうるさかったんだよ~…
「ははっ、そらそうでしょ。まだ婚約者とかいないの?三十路入ったでしょ。
「う“…ひどい…慰めてくれるかと思ったのに…
「いやだって、もうそろそろ婚約者作んないとマズイですよ?
「マズイって…なにがさ。
「え、だって…三十路入ったでしょ?そのまま四十に入ると結婚できなくなるじゃん。一般的には。
「別に、一般的じゃなくてもいいし…それに、俺は婚約者とか居なくても困んないし…
「しないと後々面倒ですよ?
「…ふん、うるさい。
「も~、拗ねちゃって、子供じゃないんだしさ。(笑)
「…そうだ、にの、にのはまだ飲まないの?一杯飲んでこうよ。
「え?…いや…
断ろうとしたが、大野さんの顔を見ていると断りずらくなった。
「あ…ぅん、まぁ…飲む、わ…
「んじゃあ、マスターウィスキーの水割り~
「え、まじで?
「うん?なんか問題でもあった?俺とお揃いの飲み物だよ~♪
「あぁ…へぇ、…
そういうのいつも飲んでんだ…
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あれ、どんくらい話したんだろ…
それに、どんだけ飲んだんだっけ…
あれ…門番、10時だったよな…
今…何時だ?
ケータイの電源をつけて時刻を確認する
二十三時を回っている。
あれ…?そんな時間たってたのか…
帰らないといけない…
ポケットから微妙な振動が感じるが、それすらどうでもいい。
…でも、なんだか帰りたくない気もある。
うわぁ…どうしよう
そんな考えが頭を回るが、どうもうまく考えれない。
あぁ…くそ、…も~…どうでもいいや…
「ぅぅん…
「どうしたの~?にの、
「いやぁ…べつに…大事な約束破ったかも…しれない。
「それは大変だぁ(笑)、どうするの?
「どうでもいい…
「ふふふ、そっか、どうでもいいね。
そうやって大野さんはへらへらした顔をする。
「あ“~、ねえ翔さん、
「うん?どうした?
「翔さん、酔ってますか?
「まぁ、酔ってるっちゃあ、酔ってる。
「へー、
「…だからどうした?(笑)
「いやぁ?べつに、気になっただけですけど。(笑)
「ふーん、そうか、ていうか、お~い?
そう言って翔さんは相葉さんに声をかける。
相葉さんは酔いつぶれてもう爆睡している。
「あーもうこれだめなやつだ。
「じゃ、もうそろそろ帰りましょうかねぇ?
「え~、にのもう帰っちゃうの?
「相葉さん、寝ちゃったし、家まで送るついでに。
相葉さんと帰る方向は同じなのは知っている。
「じゃあ、俺の車使う~?
「飲酒運転じゃないですか!(笑)
普通に法律違反じゃん、つかまるぞ。
「へへっ、そうだけどさ~、
「酔い冷ましに行く?
そう言って翔さんは外に行こうと指で示す。
「うん、そうですね、行きましょう!
「まぁ、お酒回ってちゃ運転しちゃダメだからね~。
「行くぞ~、あ、お会計お願いします。
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それで暫く外の空気を吸って、酔いも落ち着いてきた頃で、相葉さんを車に乗せようってことになった。
「おいしょ、そんじゃ、どっち運転する?
「大野さんの車だから大野さんでしょ!(笑)
「やっぱ?(笑)、わかった、助手席ね。
そう言って相葉さんが後部座席、大野さんが運転席、俺が助手席に座る形になった。
「それじゃ、翔さんばいばい~
「おう、またな。
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