注意事項
・knkz
・空想りすなー
kn→「」kz→『』
いつものChroNoiRの雑談配信。
何気ないテンション、何気ないやりとり――のはずだった。
でも。
【葛葉、今日めっちゃ声優しいんだけど】
【付き合いたてのカップル感がすごい】
【今日のChroNoiR、距離感おかしくね?】
コメント欄は早々にざわついていた。
『……ん?なに、コメント、どうした?』
葛葉が首をかしげながらスクロールを追う。
隣では叶が、にこにこしながら飲み物のストローを咥えていた。
「“いつもより甘い”って書かれてるけど」
『は?どこがだよ』
「葛葉がさ、“叶〜”って呼んだとき、ちょっと語尾甘かったよ?」
『……うるせぇ、気のせいだ』
叶は笑ってごまかす葛葉の肘をつつきながら、
わざとらしくマイクの方へ身を寄せてみせる。
「……ほら、声拾えてる?ちゃんと、僕の“隣にいる葛葉”」
『……お前マジ、バカか?』
「えっへへ、ばれちゃった?」
コメント欄が一斉に爆発する。
【なにその言い方!!!】
【隣にいる葛葉ってなに!?!?!?!?】
【配信中ですよーー!!??!?】
『あーあー、ほら、リスナー困惑してんぞ』
「それは葛葉のせいじゃん。顔赤いし、目合わせないし」
『だ、だってお前が……っ』
叶はそんな葛葉の反応を楽しそうに見つめながら、マイクに近づいて囁く。
「ねぇ、リスナーのみんな。
“いつも通り”って言ってるけど、今日の葛葉、可愛くない?」
『叶、お前マジで後で覚えとけよ……!』
「えー、怖い。あとでって……どこで、なにされちゃうんだろうね」
※ここ、完全に「バレてない」と信じて進行中。
配信はそのまま何事もなかったかのように進んでいくけど、
リスナーたちのコメント欄は完全に『今日のChroNoiR、彼氏面すごい』のタグで埋め尽くされた。
誰も明言はしない。
でも、もう“察した”のが当然みたいに、みんな笑ってる。
――バレてないつもりのふたりは、そのまま雑談を続けた。
それがまた、どうしようもなく幸せそうだったから。
コメント
4件
てぇてぇをありがとうございます
まじで好きです語彙力ぶっ飛んだ