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「もし、明日どちらかがいなくなったらどうする?」
「考えたくない」
「私も」
そんな話すら、ふたりの関係を確かめる儀式になっていた。
普通じゃなくてもいい。
まともじゃなくてもいい。
他人に理解されなくても、ぜんぜんかまわない。
「あなたがいてくれるだけで、私は“ここ”にいられる」
その言葉が、
毎日のなかで何度も言葉にならずに交わされていた。
そして、
ふたりだけの世界は、少しずつ外から閉ざされていくように深まっていった。