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気づけば、私は“すみれが何をしているか”を、四六時中考えるようになっていた。
授業中も、帰り道も、眠る前も、
何を見ても、すみれがいないと完成しなかった。
すみれもまた、
私が他の誰かと話すたびに目を伏せるようになった。
「別に、嫌じゃないんだけど」
そう前置きしながら、すみれは言った。
「あなたが楽しそうだと、
私がいなくても大丈夫なんだって思ってしまう」
「それが、こわい」
そんなすみれの言葉を、
私は口に出して否定できなかった。
だって、私も同じだったから。