テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
次の日の放課後
音楽室で元貴と涼架が話していた。
「なぁ、涼ちゃん」
「んー?」
「昨日若井に
月が綺麗ですねって言われた? 」
「えなんで知ってるの!!」
涼架は目をまん丸にした。
元貴は小さく笑って肩をすくめる。
「あいつ、分かりやすいからな。
でもそれの意味知ってる?」
「意味?ただのお月見じゃないの?」
涼架は小首を傾げる。
元貴は少し真剣な顔になって
静かに告げた。
「”月が綺麗ですね”っていうのは
“好きです”って意味なんだ。」
「え…っ!!」
涼架の顔が一瞬で赤くなる。
心臓がバクバクして
どうしていいのか分からず
元貴に抱きついてしまった。
「ちょ、涼ちゃん、?!」
「も、も、もときぃ!どぉしよぉ、、!」
その瞬間。
ガラッ、と音楽室のドアが開いた。
「……」
そこに立っていたのは滉斗。
目の前の光景に、完全に固まってしまった。
「な、なんだよ……俺の気持ち、知ってたのに……」
小さくつぶやいて、踵を返してしまう。
「ひ、ひろと!?これは違くて!!」
涼架の声は届かず、滉斗の顔はどんどん真剣になっていく。