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この間の10周年ライブ後の妄想です。
BL× だたのもとぅきの2人に対する激重感情拗らせたやつです。
「俺、音楽がしたい!世界一のバンドになるんだ!」
大きな目を輝かせて、そう語ったのはいつの話だろう。
周りと違うことに気づき苦しむ夜に、側に居て心を癒してくれたのは音楽だった。
学校に行く時間も惜しんで、自分の中にあるものを音楽を通して表現していた。
自分の全てを優しく包み込んでくれる音楽を、自らが作って、誰かに届けたい。
内気な少年の唯一の夢だった。
「今日からMrs.Green Appleだ!」
奇跡のような必然。そんな中、僕たちは出会いメジャーデビューをする。
7月8日。七夕の次の日という、なんともロマンチックな日だ。
デビュー曲は『StaRt』。「いつでもスタートでいよう」そんな思いを込めて作った。
大好きな仲間たちと、希望に溢れた未来をたくさん想像した。
小さなライブハウスから青年たちの旅は始まった。が、最初は想像していたようにはいかなかった。
何度も話し合って、何度も作り直して。途中で落としてしまったものもたくさんあったけれど。
大好きな仲間がいて、愛してくれる人がいて、やりたいことを思いっきりやれている。それだけで十分だった。
誰かを傷つけて、傷つけられて。愛して、愛されて。裏切って、裏切られて。信じて、信じられて。
僕たちは確実に成長していった。
「ごめん。」「やりたいことがあるんだ。」
「あやかっ、たかの、」
限界を超えてしまった僕たちは、フェーズ1を終わらせることにした。
『theater』 「天の川で水遊びをした次の日は、風邪を引いたのでねんねします」
7月8日。ロマンチックだなんて言っていたあの日に、僕たちの旅は一度終了となってしまった。
メンバー2人が抜けると聞かされた。2人とも新たな夢を見て、希望に満ちていて止めることはできなかった。
心も体もボロボロになった。毎日、後悔して、涙して。本当に辛かった。
けれど、あの時間も、僕らには必要だったと今なら胸を張って言える。
「元貴、俺らがいるから。」「絶対離れないから。」
「わかい、りょうちゃん、」
それでも、まだ信じてついてきてくれる仲間がいて。自分もつらいはずなのに、俺の心配ばっかりしてくれた。
あまり芯のくった話をしない、2人に仲良くなってもらおうと思って、同居を提案した。
最初は戸惑っていたが、今では、家族のような関係だ。
これで俺の世界は守られる。そう安心した自分を覚えている。
「フェーズ2開幕だ!!」
2年間の活動休止を経て、成長した僕たちは再び船を動かし始めた。
最初の曲は『ニュー・マイ・ノーマル』。
勢いに乗った僕たちの曲は、たくさんの人に愛されるようになった。
いろいろな賞を獲得して、大きなステージで歌わせてもらって。
有名になってうれしい反面、失うものも多かった。
心無い言葉もたくさんかけられた。孤独や焦燥感から震えて眠れない夜も少なくなかった。
でも、どんな時でも2人は側に居てくれた。そんな2人に向けて作ったのが『BFF』。
レコーディング中の離席の話はそれなりに有名だ。映画で共演したアイドルにもいじられた。
若井は嬉しそうに、でも泣きそうになりながら俺の思いを受け取ってくれた。いつだって若井は優しく俺の思いを受け止めてくれる。幼馴染の特権だ。
涼ちゃんは、最初若井に向けた曲だと思っていたらしい。その話を聞いた時、怒りを通り越して呆れてしまったのを覚えている。俺の愛は伝わってなかったの?って問い詰めたっけ。それから少し涼ちゃんは自分に自信がついたみたいだ。
どんなことを言われても、2人がいるから。代わりなんかはいない。
俺の作った世界で、2人が笑顔で幸せなら俺も幸せだ。心からそう思えた。
そして、僕たちは10周年ライブを迎えた。
歌いながら、今までのことが走馬灯のように思い出された。
ライブの中盤、MCに入ったところで僕は口を開いた。
「今日のために、柄にもなく、、、曲を書いてきました!」
JAMsたちの驚く声が会場に響き渡る。
「antennaというアルバムにantennaという曲があるように、attitudeというアルバムにattitudeという曲があるように。この曲にも特別な名前をつけました。」
一度言葉をきって、涼ちゃんと若井を交互に見る。2人とも僕と目を合わせて微笑みかけてくれた。
「聞いてください。、、、『variety』」
「夢をスケッチして見た同じ空は 変わらずにまだ雲を動かしてる」
周りの環境が変わろうと、僕の夢はあの時と変わらず、音楽で人を笑顔にすることだ。
自分の作り出したもので人が笑顔にできることがこんなに幸せだと気づけたのはきっとあなたたちのおかげ。
「多様に富んだ秤のない中で要は 私が良いと思ったものをどれだけ愛せるか」
若井と涼ちゃんと音楽があれば俺は生きていけるから。
心無い言葉になんか負けないで。誰にも愛されなくなっても俺が愛しているから。2人もそう思ってくれてるといいな。
「愛されたいと歌うたびに 思い知る愛の当たり前に 信じたいと歌うたびに 思い知る疑い深さに」
愛いしてあげるから愛して。信じるから信じて。消えたくなる夜も変わらず側にいてね。
「変わることない変われやしない 代わりは居ないんだ他に 今日とてそう貴方を待っているんだここで」
変わりたいけど、変われないし、変わりたくない。君たちの居場所はここにあるから。
「はじめに戻れる素敵な呪文を1ページ目に。 切り離せない それは大事な「未熟さ」だ」
どんなすごいことを成し遂げても、結局人間は未熟なままだから。いつでもスタートでいたい。音楽を好きという気持ちを忘れたくない。
「宛てもない様な この思いはあなたに届いた」
ただがむしゃらにやってきた。誰かに響けばと思い作った曲はあなたに届いた。
「無駄なことは一つもない 等しくない世の中に 今日とてそう「私」を待っていて欲しいんだ誰かに」
ここまで進んでくるのに、たくさんのものを落としてきてしまった。でも、”無駄”なんて一つもなかった。
不平等な世界を嫌に感じるかもしれない。でも、自分を愛して欲しいなら周りを愛するしかないから。
希望を捨てないで待っていて欲しい。
「手を握れば握るだけ 離すのが怖いし」
幼かった青年は別れが起こす悲しみを知った。もう二度と離れていく人がいないように。必死でしがみついて、手を握りしめた。
「慰めてあげるように歌を歌うよ自分に 虚しさを歌うたびに気づくよ「僕は幸せ」」
何度も慰めるように自分の中の寂しさを唄った。どの瞬間も昨日のように思い出せる。
どれだけ不安を歌っても心が晴れることはなかった。
でも、この歌なんだか共感できる。グッときて泣いちゃった。なんて言われるたび、たくさんの人の心に残れてうれしいなって思えた。忘れられることが1番怖いから。この歌の主人公なんかより自分は幸せだと思った。自分で作ったのに変だなと思うけど。
「変わることない 変わりゆく時代の中で 変わることない」
時代も環境も変わりゆくけど、僕たちの本心は変わらない。純粋に音楽を愛して、やりたいことをやる。
初めてステージに立ったあの日と、僕らは何一つ変わっていない。
小さい頃、大きなステージで歌う夢を見た。今、僕が見ることができている景色はあの時よりもずっとずっと美しくて綺麗だ。
ここまでくると思っていたような思っていなかったような。
ここまで歩んでこれたのは、もちろんスタッフさんとか周りの協力があったからこそだけど、何よりメンバーが、もちろんあやかと高野もね、いてくれたからだと。僕1人じゃ、絶対に無理だった。
幸せという言葉は、なんだか安っぽくて好きじゃなかったけれど、今は「幸せです」と胸を張って言える。本当の幸せに気づけたから。
俺の音楽を1番に理解して愛してくれて。正直になれずきついことも言ってしまう僕を優しさで包んでくれて。伸ばした手を必ず握ってくれて。そんな2人が大好きです。これからもずっと側にいてください。
大好きな若井と涼ちゃんへ
しばらく時間が止まっていたような気がした。呼吸をするのも忘れて、僕は手紙を見つめた。
「、、、なんか重い愛の告白みたいだな、」
若井が重たい口を開いた。その声は震えていた。
僕も何か言わなくちゃと思ったが、何も言えなかった。ただ、涙が溢れるばかりだった。
そんな僕たちを元貴は幸せそうに見つめた。
ライブが終わって元貴に話があると僕たち2人は呼び出され、誰もいない部屋へ連れてこられたと思ったら、これ読んでと緑のオシャレな封筒を手渡された。
広げて見ると、びっしりと字が書かれた紙が4枚。驚きながらも2人で読み始めた。
そこには、今までの僕たちの歩んできた歴史と、元貴の思いが書かれていた。最後には今回のライブで披露した新曲『variety』の歌詞と意味が。一冊の小説を読んでいるような気分だった。
ただただ嬉しかった。普段、バンドの最前線に立って僕らを引っ張ってくれる元貴は、弱音を吐かない。弱気になったのはそれこそ、メンバーが脱退してしまった時くらいだ。そんな元貴の心の内側を知ることができて、嬉しさと同時に安心もした。元貴も1人の人間なんだと改めて感じた。
若井も思うことがあるのだろう。ずっと側で見守ってきたのだ。必死に涙を我慢しているようだ。
すると、元貴がすっと立ち上がって僕たちの方に近付いてきた。
「涼ちゃん、泣きすぎ、」
笑いながらも僕の涙を拭いてくれた。
「だって、だってぇ、元貴も大きくなったんだねぇ、」
「何言ってんの、もう、、、若井。」
元貴が優しく呼びかけると、若井の頬に涙がつたった。
「ばかやろ、泣かすなよ。もう、」
顔をおって泣き出してしまった若井をそっと抱きしめる。いつもはガタイのいい体も、なんだか小さく感じた。
元貴はそんな僕たちを、満足そうに見つめた後、抱きついてきた。
泣きながら、3人でぎゅうぎゅうになって幸せを噛み締めた。
これからきっとどんなことがあっても、この3人なら大丈夫だなと心の底から思えた。
みぐり。です。なんだか普段とは違う小説を書いてみました。
もとぅきの激重感情をいい感じに和らげて、手紙にするという。まあ、2人も同じくらいのミセスのこと大好きですけど。なんかいい感じにかけました!ちなみにこれは”恋”ではなく、”愛”です。
時空がおかしなところとか、歌詞の意味とかは自分なりの考えなので、本当は違うところもあると思います。
めちゃめちゃ長くなった。4500文字程度。頑張った。
改めてフォロワー50人突破ありがとうございます。たくさんの方に小説を読んでいただけて光栄です。
これからもよろしくお願いします。
最後までお付き合いありがとうございました!