テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
カー、カー、と烏の鳴き声と共に、我達ドールの話し合いが終了したアル。
ここは日本国のある会社のビルの一室アル。ここは、我達ドールぎ定期報告をしに集まったり、雑談したり、イベント事をやったり、まぁ、色んな事をやってるアルネ。因みにここは我達ドールのリーダーである愛華が借りてるから、何か壊したら愛華からの超絶長い説教があるアル。それに加えて、自分で修理しないといけないアル。
突然だが、我、中華人民共和国の化身に仕えるドール、中華は、ロシア連邦の化身に仕えるドール、炎露に恋してるアル。
「僕の姉貴は世界一可愛くて美しい」
我の妹で、台湾の化身に仕えるドール、湾華が我の腕に擦り寄りながらそうボヤいたアル。
あっついアル。
「わかる~。どうしても自分の姉って尊いよね。本当に、うちの姉さんもカワカッコイイし、美しいし、最高だし〜」
愛の妹の鈴華が愛に抱き着きながらそう湾華に賛同し始めたアル。
愛ってのは、愛華の愛称アル。
「どけ、鈴」
愛は怪訝そうな表情で鈴華にそう言い放ったアル。
この双子の姉妹は仲が良いのか悪いのか、時々分かんないアル。
鈴は鈴華の愛称で、我も普段は鈴って呼んでるアル。
大体話し合いの後はこんな感じで、みんながダラダラと雑談し始めるアル。
「明日は七夕でしょ?って事で、笹と短冊買ってきました〜!」
何やらゴソゴソしてると思えば、笹と短冊を掲げて阿香里はそう叫んだアル。
阿香里は、、、。もう説明するのも面倒ネ。簡単に言うと、AUの化身に仕えるドールで、鈴に並ぶおてんば娘アル。
「いえーい!」
そんな阿香里に鈴まで賛同し始めたアル。こいつ今日は賛同しかしてないアルネ。
本当に、この2人は子供みたいな事しかしないアル。正直呆れるアル。けど、この2人だからこその明るいムードもあるアル。
七夕、アルカ。紀元は我の国だったネ。彦星と織姫みたいに、1年に一度しか会えないなんて、我は絶対に嫌アル。
真っ赤なチャイナドレスを見つめながら我の脳裏にはそんな事が過ったアル。
ここからだと、炎露の表情があんまり見えないアル。
騒がしいこいつらにうんざりしてるのか、楽しいのか、憂鬱なのか、我のいる位置からは検討も付かないアル。
「姉貴!あの飾り可愛くない?!一緒に作ろうよ!」
満面の笑みを向けながら右耳についた白の太陽の形をしたピアスを揺らして湾華は我に抱き着きながら話しかけてきたアル。
「湾華!鈴と一緒に買い出しを頼む」
愛が鈴の頭を押さえて近寄らせないようにしながらこっちに向かって声を上げたアル。
湾華と鈴は渋々、嫌々で鞄を持ってビルを後にした
アル。
これは、チャンスアルカ?愛、そう言えば、我の恋心知ってたアルネ。やっぱり我の友達は最高アル。今度美味しいパンケーキのあるカフェでも教えてあげるとするネ。
「中華、もう短冊に願いは書いたか?書いてないなら、炎露との恋仲でも願ったらどうだ?」
さっきまで折り紙で芸術と言ってもいいような飾りを作っていた愛が我に小声で話しかけてきたアル。
「それは余計なお世話アル。それにもう、書いちゃったアル」
「ほら」と言って、愛に短冊を見せたアル。
「自国の繁栄、、、。本当にそれで良いのか?」
不思議そうに愛はそう聞き返したアル。
「これはドールとして当たり前アル」
我がそう言うと愛は意味深そうに「ふぅ~ん」と言って、そっと我の目の前に短冊を一枚、置いて飾り付け制作に戻っていったアル。
暫くして、部屋から皆居なくなった時、我は未だに短冊と格闘してたアル。
「もう一枚書くなんて、子供じみてるアル」
そう自分に言い聞かせて短冊をしまおうとするものの、なぜかそれができずにまた、短冊とにらめっこをする。その繰り返しアル。
「どうせ叶わないものなら、願うだけなら、怒られないアルヨネ?」
そう言って我は近くにあったシャーペンを手に取ったアル。
普段の丸々とした文字では無く、愛が書くような角々としたキッチリとした字で、名前も書かずに、我は一つだけ、炎露と付き合えますように。そう書いたアル。名前も無いし、文字の形も違うから、バレない、アルヨネ、、、。
その短冊を持って帰ることもできたけど。なんとなく、ここの笹に着けておきたかったアル。先の方に結び付けて、天に願いが届くようにして、我は自宅へと足を進めたアル。
そうしてまた、一日が終わり、新たな一日が始まって、おわろうとしているアル。
今日も、普通の日アルネ。いや、炎露に会えなかったから、ちょっと悪い日アル。
そんな馬鹿げたことを思考しながら仕事も終わったし、家に帰ろうと荷物をまとめ始めるアル。
「お先にに失礼しますアル〜」
パソコンの画面に反射した我の赤と黄のオッドアイは、少し寂しそうだったアル。
そうして我が部署を出ようとすると、そこには炎露が居たアル。
「え、炎露」
驚きすぎて普段の語尾も消えちゃって、声も裏返ったアル。
「中華、話がある。ついて来てくれ」
いつもと全く変わらない無表情で炎露はそう言ったアル。
相変わらずの高身長で、2メートル超えだから、炎露の顔を見ようと思えば、首が疲れるアル。
「わ、分かったアル」
動揺しつつも、炎露後をついて行く。歩幅はもっと大きいはずなのに、炎露、我のことを気にしてちょっとゆっくり歩いてるアルカ?だったら、ちょっと嬉しいアル。
そうして炎露に連れてこられたのは、今は使われていない何も無い、会議室だったアル。
会議室の静けさの中に、我の心臓の音が響きそうなほど、五月蝿いアル。
「これ、お前のだよな」
そう言って、炎露は我が願い事を書いたピンクの短冊を見せてきたアル。
なんで、なんで、バレてるアルカ?
「えと、これは、その、違うアル。その、違うアル」
自分自身のこの感情を否定したく無いアル。けど、炎露にバレるなんて、恥ずかしくて、何か、嫌アル。
そんな事を考えていると、「違う」と、ロボットのように繰り返し言うだけになっちゃったアル。
そんな我の言葉を遮るように炎露が口を開いたアル。
「俺は、嬉しかったぞ」
相変わらず、炎露の表情は微動だにしないアル。
「慰めなんていらねぇアル。フルなら、こっ酷くフッて欲しいアル」
これ、自分で言っててかなりキツイアル。
炎露の眉間には若干シワが寄ったアル。
「この短冊、やっぱり中華のだったか。昨日、たまたま愛華が中華に短冊を渡してるのを見てさ。本当に中華だって証拠は無かった。ただ、自惚れていたかった」
炎露は短冊に書かれている文字を愛おしそうに指でなぞりながらそう話したアル。
もしかして、もしかして、、、?この状態でフラレたら我、丸一週間泣く自信あるアル。ついでに愛と湾華に訴えとくアル。
「昨日、兄貴にしごかれたんだ。『お前は俺に似て言葉足らずで、表情もまともに動かない。だから、人に簡単に感情は伝わらないぞ。足りないなりに、行動で示せ。しっかり話せ』って、二、三時間説教受けた」
窓の外を眺めながら炎露は話すアル。炎露がこんなに話すなんて、珍しいアル。
「中華。お前の願い、俺が叶える」
クルッと回って炎露の赤と青のグラデーションの綺麗な瞳は我の赤と黄のオッドアイを捉えて離さず、そう言ったアル。
「こんな不器用で、無愛想な俺で悪いが、俺は、中華の事が好きだ。愛してる。だから、俺と付き合ってくれないか?」
ほんの少しだけ、炎露の口角は上がっていたアル。
我の目からは涙が漏れ出てきたアル。
「い、嫌だったか?」
炎露は腰を少し屈めて、ハンカチで我の涙を拭ったアル。
我は、思わず炎露に抱きついたアル。
「お願いします、アル」
窓から見える紫の空に散る星々は、我と炎露を照らしていたアル。
我の彦星様は、天の川の奥になんて居なかったアル。天の川なんて乗り越えて、我を迎えに来てくれた最高の彦星様アル。
読者様へ
予想以上に長くなった本作品を読んでいただき有難う御座います。
お盆に公開予定の作品がなかなかできずに先にこの作品を書きました。
さて、最近馬鹿みたいな暑さですが熱中症対策はしっかりしていますか?
気お付けないと本気でヤバいですよ。
読者様も熱中症、脱水症にはお気おつけください。
では、では、バイ!
熱中症になりかけた作品より