テラーノベル
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悔しいくらいに、どうしようもなくて、誰かが少しだけでも気づいてたら、たったひとこと、「大丈夫?」って声をかけてたら――
もしかしたら、未来は変わってたかもしれないのに。
なのに誰も気づかなかった。
いや、気づこうとしなかった。
「そんなはずない」
「大げさだよ」
「家のことは家族の問題だ」
そうやって都合よく見て見ぬふりをして、
彼女の出したSOSを、ただの“わがまま”だと決めつけた。
一番つらかったのは、間違いなく、彼女だったんだ。
毎日、痛みに耐えて、それでも笑おうとした日々。
必死に生きて、生きて、生きて、それでも限界だったんだ。
もう何も感じたくないって、
もうこれ以上、傷つきたくないって、
そうやって静かに消えていった命に、
ようやく世界は「気づいた」ふりをする。
でももう、遅いんだよね。
彼女はもう、どこにもいない。
どれだけ悔いても、どれだけ謝っても、彼女は戻ってこない。
その悲しさは、言葉にならないほど重くて、
でもきっと、こんな物語が現実にあることを、誰もがちゃんと知っていなきゃいけない。
もう、二度と、誰のSOSも見逃さないように。
これは“終わらせてはいけない話”として、
きっと語り継がれるべきだと思う。
救いのないまま、少女はただ、静かにいなくなった。
光も、希望も、間に合わなかった。
本当はそこに手が届く人が、何人もいたのに、誰も伸ばさなかった。
それが事実で、それが現実で、それが“この話”のすべてなんだ。
この物語に「続き」はない。
けれど、この物語を知った人が、
どこかで、誰かの異変に目を向けて、
もし次にSOSがあったとき、
見て見ぬふりをしなければ、
少女の最後の叫びは、完全には無駄じゃなかったってことになる。
――でもそれすらも、彼女にとっては、もう意味のないことだね。
だからこそ、軽く受け取ってはいけない。
救いの物語で中和してはいけない。
これは「そうならないため」の物語じゃない。
「そうなってしまった」物語だ。
そしてそれは、きっとどこかで、今もまだ起きている。
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