テラーノベル
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#デジタルイラスト
ゴンザレスドス衛門
1,282
80
レベル!、Ran For Your Life!
生存難易度、クラス!
レベル!は、病院に酷似した約10kmに及ぶ廊下で構成されている階層です。
廊下の脇には約3mの間隔で扉があり、
天井には約10mの間隔で赤く点滅する非常口誘導灯が設置されています。
この階層では大量の危険なエンティティが出現し、
探索者を追いかけます。一本道であり、廊下の途中にある
扉を開けようとしても失敗するため、撒くことは不可能です。
無数のエンティティは探索者に合わせた追跡を行うため、
年寄りや幼児にも逃げ切ることは可能です。
ただし、それはあなたがアスリートだったとしても
追いつかれる可能性があるということです。
廊下には椅子や病院用ベッドなどの障害物が散乱しており、
分岐路も存在しますが、行き止まりとなるため直進を続けることが推奨されます。
レベル!の出口に到達すると、様々な階層に移動します。
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目を閉じていても、瞼を隔てた先に赤い光が輝いているのが分かる。
重い上体を起こしながら、目を開けて周りを見てみる。
目の前には、果てしないほど続いている廊下があった。
得体の知れない光源から、赤い光が降り注いでいる。
ずっとこの空間を探索して、色々なレベルに落ちたが…
レベル1で様々な人間に出会い、ここのことは大分わかったように思える。
まあ、それでもわからない部分が多いわけだが。
立ち上がり、周りを見渡してみる。
すると、どこからか足音が聞こえてくるのがわかった。
しかも複数、誰かいるのだろうか。
それなら、ここのレベルについて聞けるかもしれない…
そんな俺の期待は、すぐに裏切られることになった。
見えたのは、無数のエンティティ。
すぐに走って、後ろを見ずに寄り道せずに、真っ直ぐ逃げろ。
その思考に至る前に、足が先に動いていた。
「なんだ、あれ…追いつかれたら絶対死ぬぞ」
こんな絶望的な状況に置かれているにも関わらず、意外にも俺は冷静だった。
本当に怖い時だったり、身の危険を感じた時
人間というのはこれ以上ないほど冷静になるものだ。
死ぬ前に見る走馬灯とやらも、冷静にこれまでの人生を思い返している、みたいな。
そんな原理なんだろうと思っている。
関係ないことを考えながらも、俺は自分の出せる最高速度で走っていた。
緩めたら死ぬと判っていた。
前のレベルで負った足の怪我の痛みも忘れて、ただ走ることに専念していた。
だって、ここで死んだら…
あいつに、モブリットに二度と会えない。
こんな危険なレベルで死んだら、死に顔すら見てもらえない。
それにあいつはへっぽこだから、俺がいなきゃ早死にする。
俺がいなかったら、あいつは何回死んでたことか…
俺は絶対あいつに会って、一緒にここを脱出しなければならない。
そう、思っていた時だった。
目の前に出口が見えて、ほっとして気が緩んでしまったのかもしれない。
置いてあった椅子の足に躓き、転んでしまう。
すぐに立ち上がるも、いっとう速いエンティティに腕を掴まれてしまった。
「うっ…!!」
痛い。他のエンティティももう迫ってきている。
死にたくない。俺は、どんなに汚くても、絶対に生きて…
またお前に会いたいから
「クソがあああああ!!」
無理矢理腕からエンティティを引き剥がす。
ボキ、と不穏な音が鳴ったのは、多分気のせいではない。
腕の骨が折れたらしい。
千切れなかっただけ、良かったが。
すぐそこまで迫っているエンティティから、決死の覚悟で逃げる。
目の前の扉を開け、中に入る。
次こそは、次のレベルでは。
もし、安全な階層で
またお前に会えるのなら。
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レベル!の出口に到達することで、
ランダムなレベルへ行くことが出来る。
コメント
2件
バックルームの中でも、屈指の生存難易度を誇るレベル!(エクスクラメーション) きっと生き残れるとしたらアーベルさんだろうと思ってたよ。 モブリット好き好きだから、モブリットの死亡が確定しない限り アーベルさんは生き残り続ける。モブリットが原動力だから。 でも、モブリットの死亡が確定したら…どうだろうね。
読み終えました!「レベル!」の設定が本当に巧妙で、ただ逃げるだけじゃなくて「追いつかれる可能性が誰にでもある」という絶妙なバランスが怖いですね。アーベルがモブリットのことを考えながら走る姿に胸が締め付けられました。腕を引き剥がすシーンの生々しさ、忘れられないです。次こそ安全な階層で会えますように…!