(キモッ…………)
柵を挟んで目の前
無数の血走った目がこちらを見ている。
前にいる人間を押しのけてまで見ようとする奴らもいる。
ぜひ自分を鏡を見てもらいたい。
気持ち悪い以外のなんでもないで?
「これが昨夜捕らえられたという……」
「美しい…!」
「幻を見ているようだ…」
「言葉は話せるのかしら?」
「きっと綺麗な声に違いない」
次々と飛び交う声
こちとら縛られて気ぃ悪いっちゅうのに
ずいぶん楽しそうやな。
「それにしても目は赤く、髪は黒いな」
「今まで天使を見たものは皆、目は青色で髪は金色だと言っていましたな…」
「天使の中にも種族が……?」
「だとしたら、これは希少種かもしれないわね」
(………)
青色の瞳と金色の髪
たしかに周りは皆そうやったけど、俺だけはちゃうな
ホンマに俺だけは。
……まぁ、色なんてどうでもええわ
(そういえば遠くから見てるガキ、金髪に目も青いな…)
視界がぼんやりしててわかりづらいが、確かにそうやった
そよ風になびいて踊る髪は、
太陽の光を閉じ込めたようにやさしく金色に輝いている。
平凡をただ見ているだけのようなその目は、
メガネが反射して見づらいが、確かに青空のごとく光を放っていた。
………。
全員あれぐらい肝が据わっとったらええのに。
一瞬目が合った気がした
コメント
5件
_ 好きっすわ… 😁