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はい。やっぱバレてました終わりました。ここから入れる保険ってあります???……あっ、はい。無いですよね、すみませんでした。
二人から逃げようにも逃げれそうにない。いやだってさあ!!!!無理じゃんよこんなの!!!!
「何を云っているのか………。僕は只の浮浪児だ」
「へぇ………まだシラを切る気?」
どうにか誤魔化そうと、何も知らないふりをするが、太宰さんにはお見通しのようで。
太宰さんが、中也、と呼び掛けると、中也さんが一瞬で私達との距離を詰める。条件反射で腕が体を庇うように動いたが、中也さんが私に触れることはなかった。
────二人の狙いは銀ちゃんか!!
気付いた時には銀ちゃんの両手が後ろで拘束されていた。銀ちゃんの顔が痛みと恐怖で歪む。それを見た瞬間、頭で考えるより先に体が動いていた。
「銀から離れろ!!!!羅生門!!!!」
ぶわりと衣服が広がる。そこから繰り出された二匹の獣は────
「はーい、ストップ」
────太宰さんに無効化されたため、中也さんに届くことなく消え去った。
どうやら私に異能力を使わせたかっただけらしい。そして私はその作戦にまんまと引っ掛かったわけである。まあ、作戦だったとはいえ、銀ちゃんを傷付けたことは許さない。
そんなわけで見事に正体がバレた私は、現在勧誘を受けていた。もちろん、ポートマフィアに入らないか、という提案である。
結構大事な話をしている最中だったが、さっきから眠くて頭がうまく働かない。さっき羅生門で二匹の獣を出したのが悪かったのかもしれない。そうか、鞭みたいなやつで戦うよりも獣を出して戦う方が体力を使うのか。
「おーい、ねえ君、ねえってば!」
「ぅ、ゆらさ…ぃで、くださ、」
ガクガクと肩を掴まれて揺らされる。切実にやめていただきたい。視界が揺れる。
こんなに揺らされているのに眠気が醒める気配は全くない。身体中の力が抜けて、怠いし、眠いし、動けないし。おまけに、太宰さんの言葉も入ってこない。
あまり分からないが、そうだ、ポートマフィアに入るかどうか、という話だったな。銀ちゃんはどう考えているだろうか。
「ぎん、は………?」
「私は何処へでも兄さんに着いていく。其れが例え地獄だとしても」
「そ、か……」
「銀ちゃんは兄思いの子なのだね。却説、君の考えは決まったかな?」
にこりと微笑み差し出してきた、太宰さんの手を取る。私はそのまま意識を失ってしまった。