_✕年後_
〜廉真視点〜
「廉真。あなたは伽耶家の婿としてこの家を継ぐのです。私の可愛い千夏を妻にしたあなたはたくましくいなさい。」
「はい、満乃様。」
「それでこそ伽耶家の人間です。」
凪……2年は会えてない。手紙も送られてこなくなった。でも満乃様から聞いた話だと凪は
_目が見えなくなったらしい。
耳も近いうちに聞こえなくなるとも。
凪は俺の1つ下だから……今は18歳か。
今度この家から抜け出せる時に会いに行こう。
〜凪視点〜
「凪様、鈴音様がお呼びです。」
「……すぐ行くと伝えてください。あと、杖を取っていただけますか?」
「はい、伝えておきます。……杖をどうぞ。」
「ありがとうございます。」
はぁ、僕が目を見えなくなってきてからこの家の人は今までよりも良くしてくれるようになった。婚約者の鈴音さんは冷たくなってしまったけれど。
廉真に会いたい。
でもこの目じゃ家を出るのも一苦労だ。
じきに耳も聞こえなくなる。
聞こえなくなる前にもう一回だけ_
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