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「はぁ~美味しかったです。」
気づくとそこにはきれいに空になった皿とカップがあった。
「お粗末さん、あとは片しとくから、ネルフは適当にくつろいでいてくれ。」
「はーい」
さて、ここには他にどんな面白道具があるだろうかせっかく自由時間を貰えたし探して動かしてみたいのだが…
「あっそうだネルフ、ここには危険な機械とかも普通にあるから。大人しくしていろよ。」
あの人は人の心が読めるのか?僕がここを探検したいと思った瞬間釘を刺すじゃないか。…そのキカイってやつがそんな危険なのだろうか?だが…ここで椅子に座ってのんびりってのも楽しくない。
「さて、洗い物しなきゃな…やっぱはちみつ使うと皿ベットベトだな、せっかく王都主催のパンまつりで当てたんだ。大事に使わないとな。」
ジャー
ここにもしっかり蛇口があるのな、水魔法を保存したタイプの魔道具か?…でも魔力探知で視ても反応しないな…ということはあれもラグナ作の道具?カガクってやつはなにもないとこから魔力無しで水を創り出す事が出来んのか。凄いな。
「…そんなキラキラした目で見て…ああこれが気になるのか?そうかネルフのとこの蛇口魔力で水を作るタイプか。」
「はい。」
「すごいだろうコレ、家の近くに湖があってなそっから水引っ張って来てんだ。ちなみにしっかりろ過して火入れて消毒してっから安心してくれや。」
「へえ」
そうか別に創らなくても近くの水源から持ってくれば良いのか、身近な蛇口が水を魔力で作るタイプだからなぁ…てかどうやって魔力で水を作るのだろうか?何もないとこから。
「ん?答えてやったのになんかまだなんか考えてんのか?そんな考えてっとせっかく接種したホットケーキの糖分全部抜けるぞ。」
「いや…そもそもどうやって魔力を使って水とかを作ってんだろうな〜って。」
言ってみたはいいもののこんな明らかに魔法と無縁の生活してる人に聞くことじゃなかったかもな…。
「あーね、まぁ今までそれが当たり前だったら疑問も持たんよな、いい視点だネルフも学者になる気ない?」
「いや…お断りします。」
気になることは調べてみたい性分だが何かを作ることには向かんだろうなぁ。作る途中に別のことに興味示しそう。
「んじゃ質問に答えっぞ。耳の穴かっぽじってよぉーく聞けよ。」
「えっ知ってるんです? 」
「まぁ俺も一様学者の端くれだからな、知ってっぞ。」
「へえ」
学者すげー
「まずは…」
魔力、別名模倣物質、体の血管や道管を通って体内を周る物質、人間以外に植物や動物、魔物等広く言えば有機物に存在している。その名のとうり様々な物質、性質を模倣することができる。魔法はそれを体の汗孔や毛穴から放射し操る技術のことを刺す、空気中にある水素や酸素を模倣し指から火を出したり、体にある微弱な電気を模倣し大きくさせ体から電気を出したり。少し高度な回復魔法は傷ついた人の組織を模倣し止血や機能を回復させたり出来る。ちなみにネルフの使用していた魔力探知は体の感覚神経に魔力を送り模倣させ感覚神経を強化させている、強化させた感覚神経は魔力と同化しているため魔力や魔力の跡を視る事が出来るのである。
「こんなもんかな?」
「へぇ」
正直とても興味深い、今まではそんなこと気にしなかったからな。…というかなぜこれだけ魔力のことを知っておきながら彼は魔法を使わず生活しているのだろう?
「…なんだ、どうしたそんな目で見て。」
「いや…何でラグナさんは魔法の知識がありながら魔法を使わないのかな〜って」
「ああ、なんだそんなことか…答えは単純、俺にほぼ魔力が無いから!」
「えっそれ大丈夫なんですか?」
「まぁ元々魔力は身体機能の回復を早くするために進化したって説があるから生きるうえではあまり必要ないのかもな、ほら何より俺今すこぶる元気だし。」
「ほへぇ」
「よしっ!皿洗い終わり!」
「長かったですね。」
「まぁ3日分位あったしな。」
「それ大丈夫なんですか?」
「そんな心配することかい?」
「最近のゴキ、魔法使えるらしいですよ。」
まぁ嘘だけど。
「なにそれ怖っ今度から早めに皿洗お!」
ぜひともそうしてくれ。
「さてせっかく皿洗いも終わったし…外の湖で釣りでもするか?」
「釣り!?」
この前文献で読んだ事がある、古来より伝わる特殊な罠、釣り竿で魚を引っ掛け暴れさせ血を流させたあと、ゆっくり捕らえる事が出来る魚専門の猟法だと…引き籠もり絶対正義を実行していた僕には無縁のものだと思ったが…
「ああ、まだ回復しきってないし危ないかな…」
「やりたいです!」
「本当に?」
「はい!」
「命を懸ける覚悟は?」
「あります。」
「よし、んじゃ行くか。」
ガチャ
ー20分後ー
「広ぉぉぉ!?」
そこには一面に広がる青い水面があった。
「淡水だから湖だけど…ほぼ海だよなこれ。」
ザッパーン バシャッ
「!?」
「おお〜やってるやってる。」
「なんですあれ!?クジラ!?」
「ん?今回のターゲット。」
「死にますて。」
「だから言ったろ命懸けるか?って」
「マジだとは思わんじゃないですか。」
「まあここまで来たんだ、やるしかなかろう。」
死んだわ僕。
「さて、釣り竿だしてっと」
「あれ?なんかゴツくないですか?」
「逆に聞くけどさ、あれ相手に普通の釣り竿で太刀打ちできると思うかい?」
「ムリ。」
「だろ?」
「まぁ違うとこと言ってもダングステンをポリウレタンで包んだ物を竿として使ってるだけだけどね。」
何それ。
「それどんくらい重いんです?」
「15メートルあって約87キロくらいかな。」
「重っ。」
「じゃあこのステレンスでできた糸垂らしてみ。」
「引きずり込まれますって。というか持てないです。」
「そう?んじゃあこれを貸そうではないか。」
「なんですかこれ?」
なんか体の骨みたいのが出てきた。
「俺作のパワードスーツさ、まあ原理は関節部分にあるモーターで体の動きをアシストしたり足を重くして体や持ってるものを支え易くする原始的な物何だけどね。」
何が何だかよくわからんが、自分の動きをサポートしてくれる代物ってことでいいのかな。
「…」
「なんだ?気に入らないか?」
「それを持ってたのにそれ無しで僕に釣りをやらせようとしてたんですか?」
「だって最初から機械に頼るの楽しくないと思わない?」
「こちとらそれなきゃ死ぬんだよ!」
「スイマサンデシタ。」
「さっさとそれ貸してください。」
「ハイ」
「これで良いですか?」
「よしっ大丈夫だと思うぞ。んじゃ糸垂らすからな。」
「怖いな。」
「大丈夫だって俺のパワードスーツがある限り失敗はしない!」
「そのセリフめちゃフラグじゃないすか?」
「そう?…おっときたきた!…いまだ引けー!」
「うわわぁ」
でかい!けどパワードスーツのおかげか引きずり込まれることはなさそうだ。
「おんどりゃぁぁあ!!」
バッシャァァーン
「来たぜこの湖のヌシ!タイラントバスだ!」
タイラントバス、魔力による回復機能により巨大化したブラックバスの仲間、雑食で大食漢なため食害が酷く王都も捕らえ次第殺すよう要請している。
「ぬぁぁぁあ!」
間違いない!さっき湖で跳んでたやつだ!でかい!食われる!
「ラグナさん!なんとかしてください!」
「おぉ〜結構上まで飛んでったなー、ん?ああ任せとけ!この寝室にあった宇宙を感じるビームサーベルで、」
ヒュゥゥゥ バグッ
「ラグナさぁぁぁぁん!?」
まずい、頼みの綱であるラグナさんが食われた。どうする?いっそ魔法でやっちゃう?いや中のラグナさんごとやってしまうかもしれない、どうすれば…
ボッ
「燃えた!?なんで!?もしやラグナさんが持ってるビームサーベルってやつが暴れ散らかしてんのか!?」
何はともあれ早く消化しなくては!
「消化…水、水…水魔法ブレスドレイン!」
魔法を唱えた直後タイラントバスの上空に小さな雲が現れた。
ザァァァ
「よしっ」
魔法は変幻自在という性質上イメージがとても大切なのだ、うまくいってよかった。だが…タイラントバスについた火はなかなか消えない。
「…消えない…まだだ、もっと水を。」
そういえばここは湖だったな。
「何か入れ物さえあれば…」
そうか!
「ラグナは魔力に模倣する性質があるって言ってた。ならば!」
僕は地面に手をあてた。
「地面の中にある石や岩だけを集める…岩魔法ストーンクラフト!」
そう唱えると地面から両手で持てるサイズの石のバケツが出てきた。
「よし成功!」
このバケツを使い湖の水を何度もタイラントバスにかけた。そして…
「いや〜助かった!まさか食われるとは!」
「ゼェゼェッ、ほんっと心配しましたからね!?」
「ありがとな、ちょうどこいつ火を入れねえと食えなかったし。まぁ結果オーライだなっ!」
「何でそんな呑気なんです!?」
「だが問題は…こいつどうやって持って帰る?」
「なんか策があってきたんじゃないんですか?」
「う〜んあの装備はお前を守るためのものだからな…まさかこんな大物が釣れるとは…」
「そもそも何でこいつこんな大きくなったんですか?元々はただのブラックバスでしょう?」
「あー、それにはここらへんの地域について説明しないといけないな。」
「教えて欲しいです、あの魚やここの地域のことを。」