《ルート3:🐷🪴》
※R-15程度
鈍感なまちこちゃんと、そんな彼女のことが大好きなりぃちょくんのお話。
〜🩷️side〜
💙「ふ…なかなかやるやんけ、クソガキがよぉ」
🩷️「そっちこそ…はっ、次で決めてやんよ!」
まちこりとの相部屋権を懸けた、じゃんけん大会の決勝戦。勝ち残っているのは、せんせーと俺の二人。
──ここでせんせーにこの権利を譲ったら、きっと俺に勝ち目はなくなる。
🩷️「大丈夫だよまちこりーた、俺が守ってあげるから」
💚「いやいや……どっちが勝っても不安しか残んないんですけど…」
握る拳に力を込めて。しろせんせーと俺、二人揃って、目をぎゅっと固く瞑る。
「「最初はグー、じゃんけんポン!!!」」
俺が出したのは、握りしめたままの拳──つまり、グー。せんせーがチョキを出していたのならば俺の勝ちだ。
ゆっくりと目を開き、目の前の相手の左手を確認する。
そこには、すらっと伸びた指が二つ。二本の指が立っていて。
🩷️「よっっしゃぁぁぁぁぁぁ!!!」
理解が及ぶ前に、俺の口からはとんでもない声量で声が出ていた。それを聞いたまちこりが、一気に距離を詰める。
💚「うるっさいw もうちょっと静かにできないのアンタって子は…」
髪が掠めるほど近くて、彼女から香る微かに甘い香水の匂いが鼻腔に広がる。これはこれで役得だな、なんて考えていれば。
その後ろにいたせんせーが、俺からまちこりを引き剥がすようにして彼女の肩を引いた。
💙「…そうやぞ。母さんを困らせるな息子よ」
「また夫婦ヅラしてる」「そういうのいらないからw」と一気に周りが小さく笑う。
……でも。
🩷️(俺だって、まちこりのこと好きなのに……)
少しだけ目を伏せていたが、「やめてよw」とせんせーの手を振り払うまちこりの声で我に返った。
🩷️「…ま、勝ったのは俺だし。さ、行こまちこり!」
💚「う、うん。じゃあみんな、またご飯の時にねー」
背後から刺さる、せんせーとニキニキの鋭い視線には気付かないふりをして。強引に彼女の手を取り、部屋へと連れていく。
彼女は一瞬だけ困惑したような素振りを見せたが、そのあとは素直に俺に着いてきてくれた。
◆ ◆ ◆
〜💚side〜
💚「寿司ウマッ……最高……」
💜「まちこ、相変わらずお寿司大好きだね〜w」
部屋の荷物を整理して、今はメンバー全員で食事中。
私はといえば、大好物である美味しいお寿司を堪能していた。
🩷️「ねぇねぇ俺もお酒!! お酒飲みたい!!」
❤️「はいはいりぃちょくん、ちょっと待ってね」
美味しい日本酒にはしゃぐりぃちょ。キャメさんは落ち着いた声でそれを宥めながら瓶の蓋を素早く開けて、とぽぽ、と小さなグラスに注ぐ。
💚「…ったく、こういうところは可愛いんだけどなぁ…w」
💙「いやいやまちこちゃん、こんなクソガキより俺の方がよっぽど可愛ええやろ?」
私が呟いた言葉を皆は聞き逃すほど酔ってはいなかったようで、せんせーがすぐに私に絡みに来る。一々くっついてくる彼を引き剥がしながら、私は声を出して笑った。
──りぃちょが何か言いたげな視線を寄越していたのには、気づきもせずに。
◆ ◆ ◆
💜「じゃあねまちこ、りぃちょには気をつけるんだよー」
💚「大丈夫大丈夫! メンバーだし、りぃちょも酔いすぎてはないから大丈夫だってw」
温泉から上がって、じゅうはちと別れて部屋に戻る。
💚「……ってあれ、りぃちょ?」
夕食時に宿の仲居さんが用意してくれたであろう、綺麗に整頓して並べられた布団は中央が不自然に盛り上がっていた。
覗き込んでみると、そこにあるのは見慣れた白い彼の顔。
💚(…疲れて寝ちゃったのかな、)
あれだけはしゃいでいたのだから、疲れてしまっても可笑しくはない。改めて、まじまじと彼の寝顔を見る。
💚(やっぱり、綺麗な顔してるな……)
これは女研男性陣全員に言えることだが。小憎たらしい最年少のくせに、顔だけは一丁前に良い。
ぱっちりとした、丸くて大きい目。すっと通った鼻筋。女の私でも憧れるような、キメの細かい白い肌。容姿だけでいえば、多くの女の子を虜にしてしまうのも無理はないだろう。
💚「……黙ってたら可愛いのに、」
そう呟いて、りぃちょの髪をさらりと撫でる。と、パシッと誰かにその腕を掴まれた。
🩷️「…可愛い、じゃなくて、かっこいい、でしょ?」
💚「えっ、」
そこにあったのは、先程まで寝ていたはずの彼の顔。口はむすっと引き結ばれていて、眉根は不満そうに寄っている。いつから起きてたの、という言葉は、彼の唇によって飲み込まれた。
💚「ふっ、ん…っ♡ なっ、に…」
🩷️「はっ、かッわいい声♡」
彼は口の端を釣り上げて笑うと、こちらを見下ろして聞いたこともないくらいの甘い声で言う。
アルコールでふわふわした頭に響くような、触れるだけの、それなのにクラクラするような長い長いキス。
気づけば体制は変わっていて、私はふかふかの布団に押さえつけられていた。
唇が離れたかと思うと、また角度を変えてキスが降ってくる。今度はいきなり彼の舌が咥内に侵入してきて、私のそれは強引に絡め取られた。
💚「んっ、や、めっ……♡」
キスだけで、理性がどろどろに溶かされていく。このまま流されても良いのかも、なんて。
🩷️「まちこり、…好き、大好きッ♡ 早く…早く、俺だけのものになってね♡♡」
切羽詰まったように言うりぃちょに、順番が逆だろ、なんてツッコむ余裕なんてない。
既に溶けてしまった脳内で、ゆっくりと思考を手放す。
そしてそのまま、与えられる快楽に身を任せた。
【ルート3・完】
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