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第一王妃のユリシア王妃から呼び出されたラティアは自身の護衛騎士の一人であるベルロットと共に離宮に訪れていた。
「ラティア、久しぶりね」
優しい声色でユリシアにそう言われ、ラティアは目の前にいる母親でもあり、第一王妃であるユリシア王妃に向けて微笑む。
「そうですね。最後に来たのが一年半前くらいでしたよね」
「そうよ、全く中々顔を出してくれないから、寂しかったわ」
「それは申し訳ありません。陛下から聞いているかと思いますが、私、奇病である宝石の病が完治致しました」
ラティアがそう告げると、ユリシアは驚きの声を上げて、立ち上がる。
ラティアは勢いよく立ち上がったユリシアに驚くが、それと同時にこの反応は陛下からはまだ聞いていなかっなのだなと察する。
「治ったのね、そう、よかったわ」
決して治ることのない奇病だと言われている【宝石の病】。
ラティアが治すことが出来たのは、一人の犠牲があったからだということをユリシアは知らない。
「ユリシア王妃、私はこの国を今よりもっと良くしていきます。だから、これからの私を母親として、一人の人として見守っていてください」
「ええ、言われなくても貴方は私の大切な娘ですから」