nmmn,fwakになります!
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です。
どーぞ!
(……え、)
湊に話したいことがあって頑張って探したのに。
やっと見つけれたと思ったら、、なに?これ。
目の前に広がる光景は私には余りにも嫌で仕方ない、忌々しい光景だった。
どうしてなの?
どうして…どうしてどうしてどうして?
なんで三枝明那となんか楽しそうに話してるの。
しかもそんな近い距離で。
やめてよ、近づかないで湊に。
触らないで。
絶対、、絶対私の方が好きなんだから。
なんで湊もそんな顔するの?
そんな顔私にした事ないよね?
そんなの知らないよ。見たことないよ私。
…あー。なんでそいつばっかり。
ずるいよ。
そんな優しい顔そいつになんか向けないで。
嬉しそうに笑わないでよ。
私にもして。私にだけしてよ。
ねえねえねえねえ。湊。
(みなと…!)
私の声に気づいた湊がこっちを向いた。
「あぇー?あいちゃんやん。どしたん?」
いつもの笑顔を向けてくる。
けどさっきのとは違う。
三枝明那に向けてた顔とは全然違うものだった。
(…え、っと、あの…)
そう言いながら三枝くんの方を見ると、ニコッと笑って首をこてっと傾けた。
その姿に心の中が黒くなっていく感覚がした。
とてもいい人そうで私とは真逆。
それが嫌で憎い。
邪魔してやったのに、なんで少しも嫌な顔しないで笑ってるの。
意味分かんない。
嫌じゃないの?話してるところ邪魔されるの。
わざと邪魔してやったんだよ?
少しくらい嫌な顔とかしたらどうなの?
流れで湊を見ると、湊も三枝くんみたいに笑ってたけど三枝くんの笑顔とは違くて何故かとても怖く見えた。
口は笑ってるのに目が笑っていないって言われるやつだったと思う。
「あ、あきな紹介するわ。俺と同じクラスのあいちゃんー」
『あ!そうなんだ!』
三枝くんはそう言うと、私の方を見て
『初めまして!三枝明那です!』
と挨拶してきた。
(…あ、あい…です)
短めな自己紹介で三枝くんとの会話が終わった。
「あぁ、あいちゃんごめんなぁ。で?なんだったっけ?」
少しの違和感。いや、少しなんかじゃない。
普段の湊だったら絶対に言わない。
“で?”なんて。
(…っ…あ、あの…)
「んー?」
(…ううん!やっぱり、なんでもない…ごめん)
怖くて言えなかった。
今この場で三枝くんから湊を奪ってやろうと思ってたのに。
とてもそんな雰囲気じゃ無かった。
絶対に無理。こんなの。
相変わらず三枝くんはニコニコしながら私のことを見てるのに、湊の顔からはもう笑顔はなくなってて。
その対象的な2人が怖くて仕方ない。
まるで誰も近づかせない2人だけの世界みたいな。
三枝くんは隣の湊の表情見ても何も思わないの?
それとも三枝くんからは見えない?
「あー、そう?」
(う、うん!ごめんねっ…!)
「うん」
ねぇ湊……。
いつもみたいに”いいよぉ〜全然”って言って笑ってよ。”気にしてないよ〜”って言ってよ。
なんでよ。おかしい絶対。
私が知らない湊なんて湊じゃないよ。
三枝くんがいるから?
三枝くんがいるから湊そんな冷たいの…?
『あ、あの、あいさん…?大丈夫?』
(…のせいじゃん…)
『…へ?』
(あんたのせいじゃん!!あんたのせいで湊がっ!!)
『…えっ…あ…』
そこで初めて三枝くんが顔を歪ませた。
あはは。それそれ、私が見たかったの。
あーあ傷ついた顔してる。…可哀想。
でももっと悲しい顔してよ。
泣いて湊に失望されちゃえばいいのに。
(あんたなんか居なくなっ…)
「なぁ、あいちゃん」
湊が私の言葉を遮った。
「ソレ、誰に向かって言ってるん?」
湊がそう言うと、まるで時間が止まったかのように周りの音が何も聞こえなくなった。
全部分かった。今ので。
湊が三枝くんにあんな顔してた理由も、今私に怒ってる理由も。
全部全部分かっちゃったよ。
(…ご、ごめんなさ…)
「俺に謝ってどうすんねん。謝るの俺とちゃうやろ」
もう湊の顔が見れない。
でもきっと私の事許さないって、殺してやるって顔してるでしょ。
それも分かってるよ。
(…さ、三枝くんごめんなさい…。本当にごめんなさい…私っ!)
『…い、いえ…!大丈夫です…!』
(…ごめんなさい)
涙で歪んでよく見えないけど、目の前の三枝くんの表情はさっきと違った意味で辛そうだった。
眉を下げて悲しそうにしてるような。
そう見えただけかもしれないけど。
すると、三枝くんがこちらに近づいてきた。
「あきな」
『大丈夫だよふわっち』
そして湊には聞こえないくらいの声で
『その気持ち、痛いくらい分かるんです…俺。自分でも本当に自信なくて…なんでこいつがって。…だから…俺頑張ります』
って。
多分最初から私は三枝くんに勝ち目なんか無かった。
三枝くんは私なんかよりずっと強い人で、誰よりも湊とお似合いの人。
私なんかが勝てる人じゃなかった。
三枝くんが私から離れていく。
「じゃああいちゃんまたね。気をつけて帰りや」
湊の顔は見れないまま後ろを向いて走り出そうとした時、
最後に、
「あ、間違えた。”さようなら”やな」
と少しだけ笑いを含んだ声が小さく聞こえた。
―完―
コメント
4件
好....😇いやいやいやこれは好きでしかない。ありがとうございます。
初コメ失礼します!!最近雨子さんの小説にハマった者なんですが、雨子さんの不破の黒い部分の表現が滅茶苦茶好きで……明那の周りへの気持ちとかも好きで… 最高な物語ありがとうございました!!!