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夜11時過ぎ。のあから「もう少ししたら帰るね」とメッセージが届いた瞬間、ゆうくんの指は勝手に動いた。
頭で考えるよりも早く、心が言葉を押し出していた。
『ねぇ、のあ。今どこにいるの?誰といるの?』
送信ボタンを押した瞬間、胸の奥がちくりと痛む。
既読がつくまでの数秒が、まるで永遠みたいに長い。
やっと既読がついた。
けれど返事はない。
『…俺のこと考えてくれてる?』
二通目が勝手に送られていく。
指が震えているのが、自分でもわかる。
「俺…怖いんだよ、のあ…」
独り言が漏れる。
画面の向こうに、泣きそうな顔の自分が映っている気がした。
数分後、のあから返信が届く。
『え?ゆうくんどうしたの?』
その優しい文字さえ、今は胸に刺さる。
──本当は、こんな言い方したいわけじゃないのに。
──ただ、好きすぎて、不安で、苦しいだけなのに。
『のあが誰かといるの考えるだけで、頭おかしくなりそう。
俺だけ見ててほしいのに、どうしても不安になる。
ごめん、重いのわかってる。けど本当なんだ…』
送信してしまったメッセージを見つめながら、
ゆうくんは深く息を吐いた。
胸が苦しい。
でも、これ以上隠せなかった。
スマホの向こうにいるのあに、自分の心の全てを晒してしまった。
その後どうなるか、わからないまま──