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8 - 第8話 ごめんなさい

♥

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2025年10月04日

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ゆうくんからの長いメッセージを、のあはスマホの画面いっぱいに見つめていた。「俺だけ見ててほしい」「不安で苦しい」──

その言葉たちが、胸の奥にじわじわ染み込んでくる。


のあは深く息を吸った。

ゆうくんのことが嫌いなわけじゃない。むしろ好き。

でも、この重さに今の自分が耐えきれるかは、わからなかった。


画面のキーボードに指を置いて、何度も消して、打ち直す。

「どうしよう」

小さく呟いた自分の声が震えている。


ようやく送信したのは、たったこれだけの言葉だった。


『ゆうくん、ちょっとだけ時間ほしい。

嫌いになったわけじゃないよ。

でも、今の気持ちのままじゃ、苦しくなりそうだから…』


送信ボタンを押した瞬間、のあの胸の奥で小さく音がした。

後悔の音か、決意の音か、自分でもわからない。


スマホの画面が暗くなって、部屋の中の自分の顔が映った。

目の奥が赤くなっているのが見える。


のあはスマホをぎゅっと抱きしめた。

「ゆうくん、ごめんね…」

その声は誰にも届かず、夜の静けさに溶けていった──


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