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私は、すみれが笑うことで安心した。すみれは、私がすみれを見ていることで安定していた。
それぞれの不安のかたちは違ったけれど、
互いの存在を支えにしていたことだけは同じだった。
だから、毎日一緒にいるのに、
ふとした瞬間に怖くなった。
すみれの中に「私以外の居場所」があるかもしれないこと。
私の中に「すみれ以外の時間」があるかもしれないこと。
それが、どんどん許せなくなっていった。