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アキラと一緒に寮に戻る。
「あ、ひば‼よかったやっと見つけたぁ…。」
奏斗が焦ったように駆け寄ってくる。
「あ、四季凪と一緒だったんだ。」
「ええ…。」
「あれ?なんか顔赤くない?」
「…。日焼けをしたのかもしれませんね。」
「ふぅん…。」
「え、ごめん。俺が連れまわしたから…。」
「何してたの?」
「?探し物手伝ってもらった。」
「へえ。」
「あ、もうこんな時間やん。ごめんなアキラ。今日はありがと。」
「いえ。また困ったことがあれば頼ってください。」
Room4Sの依頼が終わったときみたいだなと思い、手を振りわかれる。
「ねぇ、ひば。」
部屋について奏斗が声をかけてくる。
「何で僕を頼ってくれなかったの?」
少し怒っているような声色で尋ねられ焦る。
「え、と。その。奏斗忙しそうだったから。」
「僕、部屋にいてって言ったよね?」
「そう、やけど…。」
ミッションで外に出たなんて言えない。
しかも、こんな起こっている奏斗を見たことがなかった。
「か、奏斗…?」
「ねぇ、ひば。僕はひばが心配なの。ひばは可愛いから、変な男に連れていかれないか心配なの。」
じりじりと距離を詰められ背中に壁が当たる。
俺のほうが背が高いはずなのに、奏斗の圧に屈していた。
「雲雀。」
顎をつかまれ奏斗と目が合う。
「雲雀は僕から離れないで。一緒に居て。」
ギラギラとした目と、目が合う。
怖いけどどこか捨てられた子犬のような気配もあった。
「ずっと奏斗と一緒に居るのは難しいかもやけど、できる限りは一緒に居たいよ。」
この言葉は嘘ではない。
奏斗は小さく息を吐いて、手を放した。
「ごめん。変なことした。」
「んーん。疲れとったんやろ?ちゃんと休みな。」
「ありがと。」
奏斗がベッドに入る。
俺も入って電気を消す。
たった一日だったのにいろいろあったなぁ。
この先ずっとこんな感じだったら先が思いやられるけど。
多分大丈夫やろ。
てか、奏斗もアキラもセラおも雰囲気は似てるのに違うとこいっぱいあったなぁ。
奏斗は何か束縛?つよそうやったし。
アキラは何かキザ?だったし。
セラおは人見知りなかったし。
うーん。
まあゲームだからそうなんやろうな。
イブさんが知ってる人だってわかったし頑張るぞ。
この時の俺は知らない。
2日目からどんどん彼らの行動がおかしくなっていくことを。
甘く迫られることを。
そして、
その愛に溺れていくことを。