『すげぇイイ感じだと思うよ』
『特にここにベッドが あるのが完璧』
ベッドマットに腰かけて話している
と
『これ なーんだ?』
ツギハギくんは おもむろに
取り出した それは 『手錠?』
『せいかーい!』
意味も理解しないうちに
パーカーの袖の上にガチャガチャと
手錠をかけられ 一瞬 身体が
持ち上がるくらい上に引っ張られた
『うわっ!?』
『よいしょっ…と』
ドサッとマットの上に 乱暴に
投げ出された
頭の上でガチャガチャと鎖と
手錠が繋がれた
『はい 完成!』
事もなげに ツギハギくんが上に
跨がった
『なん、なんだコレ?!』
ツギハギくんはめずらしく不機嫌に
言った
『こっちが聞きたいよ』
『マジで なんなん?』
『逃げる チャンスは与えたよ
なんで戻ってきてんの?』
えーと あれ? これどこまで
バレてんだ?
オレ はちょっと考えて 話し出す
『今日 エレベーター
見つけたんだ… 』
『でもそういえば てるてる坊主
から助けてくれたこと お礼も
言ってなかったなーとか』
『このまま 挨拶も無しに
帰るのは違うかなーとか』
『そんなん 気にせず帰れば
よかったのに』
『だいたい助けたの
オレじゃなくね?』
ツギハギくんは顔を覗きこむように
近づいてきた
『じゃあ拠点作ってんのは なんで?
挨拶して明日にでも 帰れば?』
『………オレ 思い出したんだ』
『帰る理由なんてないって』
『………事故で… 一緒にいたんだ… 』
『オレは大したケガしてないのに
彼女 即死だ…ったって……』
涙が溢れてきて 言葉がつまる
『それで 今日ずっと
変なテンションだったわけね』
ツギハギくんは溢れる涙を舐め
とった 『おいしい!』
とか言いながら頭をグリグリ撫で
まわす
あれ?これ 慰められてんのかな?
『それで?後追い 自× でも
しようとしてここに堕ちたわけ?』
『わか…らな 覚えて ない
気付いたら ここに…』
予想外のやさしさに涙腺が決壊し
油断してたら パクっと口のまわり
ごと喰われた
ぬるっと舌が侵入してきて
キスだったんだと気付く
『んー!!』
『なに?』
『言ったでしょ 優しい抱き方
教えてって』
『あ 告白からだっけか?』
『人間くんのこと好きだよ オレ』
『あっちでのことは どうせ
すぐ忘れるよ』
『ここで楽しく暮らせば?』
首をふる
『じゃ なに? 殺して欲しくて
戻ってきたの?』
自分でもわからない わからなくて
戻ってきてしまった
『黙るのはYes?』
『ちゃんと教えてくれないと
わからない』
『殺すとなると 今日は無理かな』
『人間くんの血すごく美味しい から
できるだけ無駄にしないように
したいし ………』
『…知ってる?』
『人の中身ってさ凄く綺麗なんだよ』
『真っ赤で どんなクズでも
善人でもみーんな 一緒に綺麗!』
『心臓があるでしょ ココに』
スルっとツギハギくんの手が
緩めのパーカーの中に侵入してくる
『そんで デカイ血管が
こう 首を通って上に行くのと…』
パーカーを捲りあげ首筋をゆるゆると
なでる
ゾワっ 鳥肌がたつ
『こう曲がって下に下りてく
血管が あって…』
指先を 軽く皮膚に触れながら
胸元から下りてくるツギハギくん
の手は 臍を撫で パンツを寛げた
『わぁ!ちょっっ!』
スル 中に侵入した手が
オレのを掴んだ
クスクス
『反応しちゃってんじゃん』
『血管が芸術的だっで話ししてんのに
………人間くんのほうがガキじゃん』
遊ばれてる…そんな触り方されたら
誰だって勃つわ!
『ひとが悲しんでるときに!!』
『弱ってるときが一番オトし
やすいでしょ?常識だよ』
『そんなクズの常識しらないね!』
ケタケタ
『そんだけ言い返せるなら 』
『ダイジョブそうだね』
『止め!ちょっと!』
ジタバタすると鎖がガチャガチャと
派手な音を鳴らす
『暴れるなよ………』
『暴れられたり 逃げられると 興奮
しちゃって優しくできない よ?』
『今日は痛いことしないよ』
『ただ気持ちいいことだけ
一緒にしよう?』
『いい?』
『………黙るのは Yes?』
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///Σ(//ロ// )キャー